読みもの

患者さんのための機関誌「きよかぜ」

                              整形外科科長 菊池 謙太郎

◇応急処置とは

「ケガ」が起きた時に、病院や診療所にかかるまでの間、損傷部位の障害を最小限にとどめるために行う方法を「応急処置(RICE処置)」といいます。この応急処置を適切に行えば、早期に復帰を果たすことができます。しかし、応急処置をしなかったり、不適切な処置を行うと、復帰までに時間がかかります。

 

◇RICE処置

応急処置の基本はRICE処置です。RICEとはrest(安静)、ice(冷却)、compression(圧迫)、elevation(挙上)の4つの処置の頭文字を並べたものです。捻挫や肉離れなどの四肢の「ケガ」で行います。

 

◇RICE処置の実際

①Rest(安静)

 損傷部位の腫脹(はれ)や血管・神経の損傷を防ぐことが目的です。副子(当て木)やテーピングにて損傷部位を固定します。

②Ice(冷却)

 二次性の低酸素障害や細胞壊死と腫脹を抑えることが目的です。ビニール袋やアイス 

パックに氷を入れて、患部を冷却します。15-20分冷却したら(患部の感覚が無く

なったら)はずし、また痛みが出てきたら冷やします。これを繰り返します(1-3日)。

③Compression(圧迫)

 患部の内出血や腫脹を防ぐことが目的です。テーピングや弾性包帯で軽く圧迫気味に

固定します。時々指先などをつまんで、感覚や皮膚・爪の色をチェックします。

④Elevation(挙上)

 腫脹を防ぐことと腫脹の軽減を図ることが目的です。損傷部位を心臓より高く上げる

様にします。