診療科・各部門について

スタッフと専門領域

医師名 出身大学 医師免許取得年 専門領域・資格等

医師
尾崎正時
千葉大学 昭和58年 ・医学博士
・漢方専門医・指導医
・日本東洋医学会代議員
・静岡県立大学客員教授

はじめに

現代医療のなかで漢方が使われるのは、主には下記のようなケースです。

  1. 現代医学ではっきりした診断がつかない場合
  2. 診断はついているがよい治療法がない場合
  3. 現代医学的治療の副作用の予防・治療、治療後の体力回復
  4. 多臓器・多系統にわたる疾患
  5. 病気の予防、体質改善

症状はあるが診断がつかない、現代薬がいまひとつ効かない等でお困りなら漢方を検討してはいかがでしょう。漢方薬は、原則として保険適応のエキス製剤と生薬末のみを使用します。煎じ薬、鍼灸には対応していません。

漢方とは

古代~近世までにもたらされた中国伝統医学と我が国の経験医学を独自に発展させ体系化した日本の伝統医学です。江戸時代に入ってきたヨーロッパ医学を蘭方とよぶようになったのにともない、漢方とよばれるようになりました。中国では現代医学を西医学、中国伝統医学を中医学と呼んでいます。漢方と中医学は、基本的な考えは共通ですが違いもあります。漢方では、症状(証という)に合わせて処方を決めます(方証相対)。中医学では、症状を伝統医学的に解釈し伝統医学的な治療方針を決め(弁証論治)、その治療方針にしたがって処方を考えます。当科は漢方と中医学のいいとこ取りを目指しています。

漢方の適応

以下に「山本巌の臨床漢方」という書籍に載っている漢方の適応となる現代医学の病名をあげます。(一部病名を変えてあります。)疾患はほぼ全科にわたっていることがわかります。どの疾患にも標準的治療がありますが、効かないこともあります。そういうときには漢方の出番です。例えば感冒、本当に感冒ならば一通りのエキス製剤があれば数時間で症状がとれます。ただ寝ているよりずっと早く治ります。漢方を勉強してないかたでも、なれれば自分の風邪くらいは治せます。

呼吸器疾患
(感冒、肺結核、胸膜炎、肺化膿症、気管支拡張症、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、間質性肺炎) 
循環器疾患
(うっ血性心不全、心臓弁膜症、先天性心疾患、不整脈、動悸、虚血性心疾患、心膜炎、心臓神経症、高血圧症、起立性調節障害、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血管炎、血栓性静脈炎、静脈瘤、レイノー病、冷え性) 
消化器疾患
(口内炎、逆流性食道炎、胃炎、食道炎、胃十二指腸潰瘍、吃逆、急性腸炎、過敏性腸症候群、腹痛、脾湾曲症候群、便秘症、潰瘍性大腸炎、クローン病、虫垂炎) 
肝胆膵疾患
(肝炎、肝硬変、脂肪肝、肝膿瘍、胆石症、胆嚢炎、胆管炎、胆道ディスキネジー、膵炎) 
腎臓疾患
(腎炎、ネフローゼ、腎不全) 
代謝内分泌疾患
(肥満症、高脂血症、糖尿病、痛風、高尿酸血症、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、特発性浮腫) 
血液疾患
(貧血、紫斑病) 
神経・筋疾患
(脳血管障害、パーキンソン症候群、神経痛、慢性頭痛、めまい、不眠症、疲労) 
膠原病
(間接リウマチ、強皮症、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、ベーチェット病) 
小児科疾患
(感冒、気管支炎、肺炎、気管支喘息、麻疹、水痘、流行性耳下腺炎、ヘルパンギーナ、百日咳、リウマチ熱、腎炎、ネフローゼ、夜尿症、起立性調節障害、熱中症、日射病、脱水症、発熱、咳嗽、喘鳴、嘔吐、下痢症、便秘症、流涎、体質改善) 
外科疾患
(打撲、捻挫、外傷、自覚、脱肛、裂肛、肛門周囲炎、肛門周囲膿瘍、痔瘻、肛門掻痒症) 
整形外科疾患
(肩こり、寝違い、五十肩、神経痛、胸郭出口症候群、肩手症候群、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症、変形性膝関節症、腰痛症、テニス肘、ゴルフ肘、腱鞘炎、ばね指)
産婦人科疾患
(月経不順、無月経、月経困難症、月経前症候群、更年期症候群、子宮内膜症、子宮筋腫、骨盤内炎症性疾患、骨盤腹膜炎、骨盤結合織炎、子宮頚管炎、膣炎、帯下、無排卵性機能性出血、子宮下垂・子宮脱、不妊症、妊娠悪阻、安胎、習慣性流産、妊娠中毒症、妊娠咳、妊娠中の感冒、陣痛微弱、弛緩出血、産後異常、乳汁分泌不全、乳腺炎、乳腺症) 
皮膚科疾患
(接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、ビダール苔癬、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、手湿疹、うっ滞性皮膚炎、日光皮膚炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、痒疹、皮膚そう痒症、炎症性角化症、角化症、強皮症、SLE、疣贅、尋常性ざ瘡、酒さ、膿皮症、帯状疱疹、褥瘡、多汗症、円形脱毛症、肝斑、結節性紅皮様皮疹) 
泌尿器科疾患
(膀胱炎、尿道炎、腎盂腎炎、尿閉、尿道狭窄、前立腺肥大、尿路結石症、膀胱尿管逆流症、神経因性膀胱、膀胱機能障害、精巣炎、精巣上体炎、精管精嚢炎、前立腺炎、前立腺周囲炎、陰嚢水腫) 
耳鼻咽喉科疾患
(扁桃炎、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍、咽頭炎、反復性扁桃炎、耳下腺炎、外耳炎、中耳炎、鼻炎、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻出血、乳児鼻閉塞、嗄声、咽喉頭異常感症、眩暈) 
眼科疾患
(麦粒腫、霰粒腫、眼瞼縁炎、感染性結膜炎、角膜炎、アレルギー性結膜炎、春期カタル、フクテリン性結膜炎、球結膜浮腫、涙嚢炎、流涙症、胸膜炎、ぶどう膜炎、ベーチェット病、眼底出血、糖尿病性網膜症、網膜剥離、中心性網膜症、白内障、緑内障、眼精疲労、弱視、シェーグレン症候群、翼状片) 
精神神経科疾患
(神経症、心身症、抑鬱状態、躁鬱病、不眠症、神経性食欲不振症、認知症、てんかん) 
歯科疾患
(歯痛、顎関節症) 

漢方理論と現代医学

気血水、五臓などの漢方的概念は単純で理解しやすく、日本の文化にもとりこまれており違和感なく理解できます。漢方理論には架空の理論が多く、こじつけも多々あります。しかし漢方の運用のために作られた約束事、取り決め、言い伝えですので、漢方薬を使用する際には現代医学より有用です。現代医学的発想で漢方を使っても問題はありませんが、やはり長年の検証に耐えて残っている漢方理論に分があります。しかし最初は現代医学と漢方の両方の視点でみることが重要です。どちらも現時点では不完全なものです。不完全である以上、視点は多いほど良いと思いますし、両者を組み合わせることでより効果を発揮することもあります。

漢方における注意点

漢方は無害ではありません。薬疹、肺障害、肝障害、浮腫などは稀ではない副作用です。現代薬よりは安全ですが注意が必要です。

食養・分子栄養療法

医食同源といわれます。現代医学も漢方も基本的には栄養状態に問題がないことを前提にしています。もし問題があるならば、栄養状態も同時に改善しないと薬の効果がでません。しかし、食事での改善には限界があります。保険適応の医薬品で対応できればいいのですが、量が不十分だったり使い勝手が悪かったりで、サプリメントが必要になることがあります。
漢方を開始するにあたっては、栄養状態を把握することが望まれます。血液検査で鉄、亜鉛などのミネラル不足、ビタミン不足、低蛋白状態、糖質摂取過剰をある程度把握できます。検査は保険適応の範囲内で行います。毛髪検査、便総合検査、有機酸検査等には対応しておりません。またサプリメント等の販売もしていません。

慢性感染病巣疾患

慢性上咽頭炎、歯科感染病巣、ピロリ胃炎、消化管カンジダ症などの慢性感染病巣があると様々な症状をきたします。慢性感染が疑われる場合には、該当科の診療が必要です。

予約、問い合わせ
初診再診とも予約制です。電話で予約をしてください。

予約
電話のみ 静岡市立清水病院漢方外来受付
054-336-1111  内線 2050
問い合わせ
メールのみ 静岡市立清水病院漢方外来 尾崎正時
ozaki@shimizuhospital.com

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