診療科・各部門について

スタッフと専門領域

医師名 出身大学 医師免許取得年 専門領域・資格等

病院長
藤井浩治
慶應義塾大学 昭和58年 ・日本脳神経外科学会専門医
・日本救急医学会救急科専門医
・日本医師会認定産業医
・慶應大学客員講師

科長
福地正仁
秋田大学 平成4年 ・医学博士
・日本脳神経外科学会専門医

科長
深谷雷太
慶應義塾大学 平成12年 ・日本脳神経外科学会専門医

科長
市村真也
慶應義塾大学 平成14年

・医学博士
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
・日本脊髄外科学会認定医
・日本神経内視鏡学会技術認定医
・日本がん治療認定医
・ドイツ医師資格
・ドイツ医師会会員
・ドイツ脳神経外科学会会員


医長
望月洋一
三重大学 平成16年 ・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳神経血管内治療専門医
・救急科専門医
医師
中屋雅人
高知大学 平成27年  

臨床検査科専従医

医師名 出身大学 医師免許取得年 専門領域・資格等

医長兼
医療技術部
医長

水村幸之助
東京慈恵会医科大学 平成5年 ・日本眼科学会専門医
・日本体育協会スポーツドクター
・障がい者スポーツ医

学会施設認定

日本脳神経外科学会専門医訓練施設
平成20年1月から A項指定施設「施設番号 A-1868」

脳神経外科の診療内容と当院の特徴

脳神経外科では以下の疾患に対応しております。

■出血性疾患(原則、手術適応のあるもの)
 くも膜下出血(破裂脳動脈瘤)  
 脳出血(高血圧性脳出血、脳動静脈奇形、もやもや病など)
■未破裂脳動脈瘤
■虚血性脳疾患(原則、手術適応のあるもの)  
 脳梗塞(脳塞栓症に対する血管内治療)  
 もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)  
 頭蓋内動脈狭窄および閉塞症  
 頚動脈狭窄症
■脳腫瘍
 脳原発悪性腫瘍、転移性脳腫瘍、良性腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腺腫など)
■頭部外傷  
 急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、外傷性くも膜下出血、脳挫傷、頭蓋骨骨折、
 慢性硬膜下血腫など
■水頭症  
 脳出血による急性水頭症、くも膜下出血後正常圧水頭症、特発性正常圧水頭症など
■顔面痙攣・三叉神経痛
■脳膿瘍

脊髄疾患は整形外科が担当しています。

また、当院には回復期リハビリテーション病棟があり、リハビリテーション科のスタッフが充実しているため、発症後可能な限り早期からリハビリテーションを施行しています。現在、脳神経外科専門医・指導医5名(日本脳神経血管内治療学会専門医1名を含む)、後期研修医1名の6人体制で診療・手術にあたっています。患者様や御家族へのインフォームドコンセントを最優先に、患者様や御家族、診療所の先生、脳神経外科スタッフの三位一体で診療にあたる事を目標としております。
当科の外来診療は午前のみですが、緊急性がある患者様は午後も受け付けております。夜間・休日も365日オンコール体制で対応しております。

治療の特徴

クモ膜下出血( 脳動脈瘤 )

脳の動脈にできた動脈瘤(こぶ)が破裂し突然の頭痛と意識障害を起こし、救急車で搬送されるのが一般的で、一度出血してしまうと約30%の患者さんが手術もできない重症例となってしまいます。出血する前の未破裂の段階で出血を予防することがより重要と考えています。MRI、MRA、3D‐CTアンギオなどの非侵襲的な検査で未破裂脳動脈瘤が発見された場合、破裂してくも膜下出血になる確率は年間約1%です。未破裂動脈瘤の手術で合併症が起きる確率は個々の症例で異なりますが、重い合併症は5~10%程度、死亡する可能性は1%程度です。動脈瘤の位置や状態、患者さんの意向を考慮して手術適応を決定します。動脈瘤の形や場所、患者さんの状態に合わせて、開頭手術(クリッピング術)と血管内手術(コイル塞栓術)を選択できることは当院の大きな特徴と言えます。脳動脈瘤で破裂前に症状が出現する事はまれですが、本格的な出血の3~5日前に前兆出血と言う軽度の出血を伴う患者さんが少なからず存在します。その患者さん方は、ただの頭痛やかぜとすませていることが多く、そのうち本格的な出血を起こしてしまうと重症となってしまうのです。重症な患者さんの中には、この様に本来軽症なうちに治療可能な患者さんが含まれています。突然の頭痛の場合、軽度の頭痛であっても安易に頭痛やかぜと片付けてしまうことは危険です。普段と違うガンガンする様な頭痛が急に始まったと言う場合は、ぜひ脳外科を受診してください。

脳出血

救命のためには緊急開頭による血腫除去術を施行しますが、緊急手術を必要としない患者さんの場合は、機能予後を第一優先とし、患者さんへの侵襲をできるだけ少なくするとともに早期にリハビリを開始するため、局所麻酔による定位脳内血腫除去術を第一選択としています。手術後は、可能な限り早い時期にベッドサイドリハビリを開始し、早期離床を計るとともに本格的なリハビリを開始します。

脳虚血性疾患

頭蓋内主幹動脈の高度狭窄やもやもや病に対して、抗血小板薬などによる内服治療の効果が不十分な場合には、脳血流検査により脳虚血の程度・脳循環予備能を判定し、必要であれば頭蓋外-頭蓋内バイパス手術などの血行再建術を施行しております。
高度頚動脈狭窄症に対して、抗血小板薬などによる内服治療を第一選択としますが、効果が不十分な場合には、脳血流検査により脳虚血の程度・脳循環予備能を判定し、さらに頚動脈エコー・頚部MRIなどにより狭窄部の状態を精査し、必要であれば頚動脈血栓内膜剥離術(CEA)を施行しております。頚動脈ステント留置術(CAS)にも対応可能です。
急性期脳塞栓症に対しては、適応を判断し、血栓溶解療法(t-PA静注療法)を施行しますが、閉塞血管の開通が得られない場合には脳神経血管内治療専門医による血管内治療(血栓吸引カテーテルによる血栓吸引やステントリトリーバーによる血栓回収)の追加を行います。

脳腫瘍

脳原発悪性腫瘍に対しては障害を最低限に抑えるとともに、可能な限り腫瘍を摘出し、補助療法として化学療法(慶応義塾大学脳神経外科のプロトコールに従い)、放射線療法を追加しております。また、転移性脳腫瘍(癌の脳転移)に対しては、比較的安全に摘出可能な部位こあるものは、開頭手術による脳腫瘍摘出術を行い、必要に応じて、放射線治療を追加します。摘出困難な脳深部の腫瘍や多発性病変に対しては、他院での定位放射線治療(ガンマナイフなど)をお勧めすることもあります。ここでご注意いただきたい脳腫瘍があります。それは高齢者の痴呆や麻痺を主症状とした髄膜腫です。脳梗塞や老人性痴呆と診断されていた患者さんの中で、検査を施行すると脳腫瘍が発見される例があります。このような患者さんのうち、特に髄膜腫では、摘出することにより痴呆や麻痺を治療することが可能ですので、脳外科や神経内科等の専門医を受診してください。良性腫瘍である髄膜腫や神経鞘腫に対しては、後遺症が出ない範囲で、可能な限り腫瘍を摘出し、残存した腫瘍に対してはガンマナイフなどの放射線治療を追加することもあります。

頭部外傷

多発外傷の患者さんや、重症頭部外傷の患者さんが早急かつ適切な処置を必要とすることは当然です。しかし、受傷直後は普通に会話可能であったにもかかわらず数時間後に急変し、不幸な転帰を取る患者さんがいます。特徴としては、65歳以上の高齢者で、受傷後にめまいを訴えることが多く、早期のCT検査で軽微な急性硬膜下血腫や脳挫傷を主病変としていることが上げられます。抗血小板剤や抗凝固剤を内服している患者さんは特に注意が必要です。当院では低体温療法はもちろん、合併症を最小限抑えるため、頭部のみを冷却し、頭蓋内温度を低下させる機器も備えております。
頭部外傷のうち最も頻度が高いのは、慢性硬膜下血腫という病気で、当院でも1年間に70件ほどの手術を行っております。この病気は、頭部を打撲してから1~2ヶ月の間に、脳を包む硬膜と脳の表面との間に血液が貯まってくる病気です。圧倒的に男性の老人に多く、多量に飲酒する人にも多くみられます。症状としては、頭部外傷の後、全く何もなかったり、軽度の頭痛を訴えていた人が、1〜2ヶ月して次第に活気がなくなったり、半身の麻痺が出てきたり、言葉が出にくくなったりします。自然に血腫が吸収され治癒することもありますが、きわめてまれであり、ほとんどの場合は手術による血腫の除去が必要になります。手術は局所麻酔で、頭の骨に小さな穴を開けて、硬膜を切開した後、血腫の表面の膜(血腫外膜)を切開し、血液が貯留している空間にドレーン(軟らかいチューブ)を挿入後に創部を閉じます。手術は30分程で終わります。普通は、圧迫された脳は自然に盛り上がってきて元に戻り、数日の経過で症状は消失します。

特発性正常圧水頭症

歩行障害、認知機能障害、尿失禁を三大症状とするこの病気は、最近まであまり注目されず、最近やっとCTやMRIなどの検査での特徴や、診断法に関しても確立されつつある状態です。
この病気での認知症の特徴は、自発性、意欲の低下と注意力障害が中心です。つまり、呼びかけや、問いかけに対し反応が遅くなり、注意力が持続しないので、すぐに飽きてしまいます。歩行が不安定になり、一日中テレビを見ていたり、ボーとしていたりするなどの状態が多いのです。この病気の発生率は現在まだ正確にはわかっていません。ある病院の物忘れ外来では、患者さんの3.5%が特発性正常圧水頭症であったと報告されており、この数字から考えると、全国に約7~8万人の患者さんがいるものと推定されます。しかし実際にはこの病気であるにもかかわらず、診断されていない患者さんもいるため、実際にはもっと多いだろうと言われています。 治療は主に、過剰な髄液を身体の中に誘導するシャント術(脳室―腹腔シャント手術または腰椎くも膜下腔―腹腔シャント手術)を行います。
この病気の認知障害や尿失禁、歩行障害は、治療可能な病気であるため、まずこの病気を疑ってみることが大切になります。ある患者さんは、車椅子生活で尿失禁、認知症があり、精神病の診断で投薬されておられましたが、手術後約1ヶ月で歩行可能となり自宅階段も上り下りし、尿失禁と精神病様症状は消失しました。

顔面痙攣、三叉神経痛

片側の顔面で特に目の周囲の筋肉が痙攣を起こしてしまう顔面痙攣や片側の顔面特に口腔周囲に突然の激痛を起こす三叉神経痛があります。顔面痙攣は頭蓋内で動脈硬化性変化のため血管が顔面神経を圧迫することによって起こってきます。三叉神経痛も動脈の圧迫や動静脈奇形、静脈の圧迫、脳腫瘍などが原因となり、顔を洗ったり、歯を磨くことで痛みの発作が誘発されます。治療について顔面痙攣でご説明しますと内服治療、ボツリヌス毒素(神経毒で神経を麻痺させ、顔面のしわ取りなどでも利用されます)、血管減圧手術などがあります。内服薬は効果が限定的です。ボツリヌス毒素は3ヶ月ほどしか有効でなく、繰り返し治療が必要になることや度重なる神経毒の注射ため筋肉に障害が出ることなどから当院脳外科ではあまり奨めておりません。原則的に内服加療を行い、効果が無く社会生活に支障をきたす患者さん(車の運転や人前に出たくなくなるなど)には神経血管減圧術(耳の後ろの骨に500円玉程の穴をあけて、神経を圧迫している血管を移動し、圧迫を取り除く手術)を施行しています。一般的に手術では70~80%の軽快率とされています。入院期間も1週間程度です。

慢性疼痛とうつ状態

脳血管障害や頭部外傷などの後遺症として30%以上の患者さんがうつ病、うつ状態に罹患すると報告されております。また、慢性頭痛の多くの患者さんが、不安神経症、うつ状態、不眠症を基礎疾患として持っておられます。これらの慢性頭痛や不定愁訴としての頭痛の中でも、多くの患者さんが治療可能ではないかと考えております。

過去5年間の手術件数(単位:件)

手 術 名 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度
脳腫瘍摘出術 23 17 20 13 10
脳動脈瘤クリッピング術 39 33 32 18 31
脳血管内手術 1 2 1 1 3
脳動静脈奇形摘出術 1 5 5 7 3
神経血管減圧術 3 3 1 1 2
脳出血開頭血腫除去術 29 23 18 20 20
脳出血定位血腫除去術 2 6 4 2 5
急性硬膜外血腫除去術 1 0 1 1 1
急性硬膜下血腫除去術 11 6 6 5 8
慢性硬膜下血腫穿頭ドレナージ術 65 66 66 76 64
水頭症手術 28 8 23 12 18
頭蓋形成術 10 5 8 7 10
外減圧術 1 1 1 0 3
その他 31 24 39 48 32
合計 245 199 225 211 210

脳血管内治療をはじめました

脳血管内治療って何?

頭蓋骨の中にある病気は、頭を切る手術(開頭手術)が唯一の治療方法でした。
しかし、最近はカテーテルという直径1mm程の管を利用した手術(血管内手術)も盛んに行われるようになってきています。足や手の血管から入れたカテーテルを使うことで頭を切らずに治療できるようになり、体にかかる負担を少なくできるだけでなく、いままで治療が困難であった病気も治せるようになっています。
当科では、脳血管内治療専門医の着任により、平成29年4月より脳血管内治療を本格的に開始すると同時に、脳血管内治療に特化した専門外来を開設しました。
頭の病気と言われたり、治療方法で迷ったりすることがあれば、お気軽にご相談ください。

どんな病気を治せるの?

取り扱う主な疾患は以下の通りです。
①脳動脈瘤
②内頚動脈狭窄症
③脳梗塞
その他、脳動静脈奇形や硬膜動静脈瘻、脳腫瘍に対する血管内治療などがあります。

①脳動脈瘤

脳動脈瘤とは、脳の動脈にできた血管のふくらみのことです。CT や MRIなどが普及した現在、脳ドックや頭痛・めまいなどの検査で、脳動脈瘤が見つかることがあります。破裂していない状態の動脈瘤は、小さなものでは経過観察することが多いです。しかし、万が一この動脈瘤が破裂した場合にはクモ膜下出血となり、緊急の治療が必要になることもあります。動脈瘤の大きさや形、動脈瘤の場所、患者さんの年齢、クモ膜下出血の家族歴の有無等により破裂の危険性が高いと判断される場合、そして破裂してくも膜下出血となってしまった場合、血管内手術もしくは開頭手術の安全性や有効性を比較検討し、最適と考えられる方法で治療を行います。

②内頚動脈狭窄症

内頚動脈狭窄症は動脈硬化を原因として起こる疾患で、主に頸部の内頚動脈が徐々に狭窄することで脳梗塞を引き起こす可能性があります。症状がない状態で発見されることや脳梗塞などをきっかけに見つかることがあります。狭窄の程度が進み脳梗塞の危険性が高い場合や脳梗塞を起こしてしまった場合には外科治療が必要となります。外科治療としては、頸部を切開する頚動脈内膜剥離術(CEA)が行われていますが、最近は血管内手術である経皮的頚動脈ステント留置術(CAS)も同等の成績であることから適応されるようになりました。外科治療が必要な患者さんの状態に応じて、血管内手術か頸動脈内膜剥離術いずれかの治療方法を検討し、最適な方法で治療を行います。

③脳梗塞

脳梗塞は血管が閉塞することで脳への血流が途絶え、壊死する病気です。一度発症すると改善が困難な病気です。現在は発症4.5時間以内であり、かつ患者さんの状態が安全に治療できる場合であれば点滴での血栓溶解薬投与(アルテプラーゼ投与)を行うことができます。しかし、血栓溶解療法がすべての患者さんに効果的とは限らず、また、血栓溶解療法の危険性が高い場合には点滴での治療を行うことができません。最近は脳梗塞急性期での血管内手術の有効性が証明されるようになり、行われる頻度が増加しています。血栓溶解療法無効例や禁忌例などの場合にはステント型血栓回収器具や吸引型血栓回収器具などで閉塞した血管を再開通させ、治療を行います。


病気の種類や病気の場所によって、血管内手術が有利であったり、開頭手術が有利であったり、状況に応じて選択すべき方法は異なります。我々は、血管内手術と開頭手術のどちらが安全に行えるか、どちらがよりメリットが大きいのかなどを総合的に判断し、患者さんと相談しながら治療方針を決定していきます。

【脳血管内治療外来】
診  察  日    毎週金曜日(午前10時~午前11時30分)
診察場所     脳神経外科外来
担  当  医    望月洋一 医師(日本脳神経血管内治療学会専門医)

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