診療科・各部門について

化学療法室

化学療法室について

以前は副作用のことを考え、化学療法(抗がん剤治療)は入院で行うことが一般的でしたが、現在は副作用を軽減する薬剤(支持療法)も進歩してきているため、外来通院で治療を行えるようになってきました。

2022年9月に新館4階に新しく移設しました。
現在はベッド8床、リクライニング7床
計15床が稼働しています。
窓もあるため、明るく開放的な空間となりました。
各ベッド、リクライニングにはテレビが設置されています。
ご利用になりたい方はイヤホンとテレビガードの
ご準備をお願いします。

2022年4月より診療報酬の改訂がありました。

外来腫瘍化学療法診療料
こちらの診療報酬を算定する為に、当院では
*専任の医師、看護師又は薬剤師が院内に常時1人以上配置され、当院で化学療法を行っている場合、電話等による緊急の相談に24時間対応できる体制が整備されています。
*急変時等、患者様が入院できる体制が確保されています。
*専用の治療室を設けています。
*化学療法の経験を有する専任の医師、看護師、薬剤師が勤務しています。
*化学療法のレジメンの妥当性を評価・承認する委員会を開催しています。

最新のトピックス

当院では全薬剤に対してCSTD(閉鎖式薬物移注システム)を取り入れ、より安全に投与管理をしています。
抗がん剤投与時にはドリップアイ(医薬品注入コントローラー)という機器を全薬剤に使用しています。
抗がん剤は決められた時間で投与しなくてはいけない薬剤のため、時間でしっかりと投与できるよう機械を使用しています。

看護師からの耳より情報

外来化学療法室では、抗がん剤投与、ホルモン注射、潰瘍性大腸炎・クローン病に対しての生物学的注射などを主に行っています。年間  約2700件、月平均  約240件前後の患者様が来院されます。 副作用症状なども確認しながら、患者様が安心して過ごせるよう、多職種とも協働しサポートしています。 なにか不安なこと、心配なことなどがありましたら、看護師に声をかけてください。

初めて化学療法室を利用される患者様にはパンフレットをお渡ししています。 その中に、生活上の注意点や、抗がん剤の暴露防止対策など記載されていますので、ご家族の方と情報共有してください。

薬剤師からの耳より情報

≪外来化学療法室の担当薬剤師≫

当院では化学療法に精通した薬剤師がチーム(ケモチーム)を組み、連日業務にあたっています。現在はがん薬物療法専門薬剤師が主体となり、業務を行っておりますが、その他の薬剤師も化学療法に関する十分な知識・臨床の場における行動力を有し、医師、看護師等と連携し患者様の不安・症状の改善に努めております。

専任薬剤師紹介

薬剤師名 略歴・資格等

杉山弘樹
≪略歴≫
2009年4月1日  入職
2009年9月~  血液内科病棟担当薬剤師として活動
2015年~ 消化器内科・外科・呼吸器内科・産婦人科・泌尿器科病棟等の患者指導も担当
2017年~ 外来化学療法担当薬剤師として活動
≪資格等≫
・日本病院薬剤師会認定 がん薬物療法専門薬剤師
・日本緩和医療薬学会認定  緩和薬物療法認定薬剤師
・薬学教育協議会認定  認定実務実習指導薬剤師

志田優璃
≪略歴≫
2018年4月1日  入職  産婦人科病棟薬剤師としてがん患者の指導にあたる
2022年4月~  外科・泌尿器科病棟薬剤師としてがん患者の指導にあたる
                        外来化学療法担当薬剤師として活動(兼務)
≪資格等≫
・日本病院薬剤師会認定  病院薬学認定薬剤師

中田淳也
≪略歴≫
2015年4月1日  入職
2021年4月~  消化器内科・外科・泌尿器科等の病棟薬剤師としてがん患者さんの指導にあたる
2021年4月~  外来化学療法担当薬剤師として活動(兼務)

稲木聖矢
≪略歴≫
2017年4月1日  入職
                        呼吸器内科・呼吸器外科病棟薬剤師としてがん患者の指導にあたる
2022年4月~  外来化学療法担当薬剤師として活動(兼務)
≪資格等≫
・日本病院薬剤師会認定  病院薬学認定薬剤師

髙田真子
≪略歴≫
2022年4月1日  入職
2023年1月~  外科・泌尿器科病棟薬剤師としてがん患者の指導にあたる
2023年4月~  外来化学療法担当薬剤師として活動(兼務)

がん・緩和領域に関する学会発表や論文執筆も精力的に行っております。

≪外来化学療法室における薬剤師の役割≫

がん患者さんにとって、がんを治療してくれる主治医は、自分の命と同じくらい大切な存在です。しかし、我々が毎日患者さんと関わっていると、心から信頼している医師に対してでも、治療に伴う副作用症状や心のつらさを話せない方がいらっしゃることに気付きます。患者さんからこのような言葉をお聞きすることがあります。「先生は一生懸命に考えて、私に最善の治療をしてくれているのでしょう?なのに、副作用がつらいなんて言うのは申し訳ないんです・・・。」そのような時我々は、患者さんには、主治医を信頼し大切に思っているからこそ言えないことがあるのだと気付かされます。日々の活動の中で「先生には言わなかったのだけど」と、副作用症状や悩みを薬剤師に話してくださる患者さんは少なくありません。
現在外来化学療法室では、日々薬剤師が患者さんの状態を確認し、副作用症状等に対して必要であると思われる薬物療法がある場合、主治医に処方提案等を行っております。かつて薬剤師の仕事は『医師の処方した薬を調合する業務』が主体でしたが、近年は患者さんより直接状態をお聞きして、医師との協働により、より患者さんの治療が良いものとなるよう務めるものとなっています。患者さんの情報を十分に把握する上では、看護師との連携も必要不可欠です。
患者さんが抱える問題に対し、我々薬剤師が薬物療法を主眼においた介入をさせていただくことで、少しでもその方の心身の負担を軽減できるようにすること、それが私たち薬剤師の役割です。

≪がん患者さんの治療における薬薬連携≫

近年、病院薬剤師と薬局薬剤師が密に連携し、外来患者さんのサポートを充実させよう、という取り組み(これを、“薬薬連携”と呼んでおります)が加速しております。以前は病院内の薬局(薬剤部)で患者さんの薬剤を調剤しお渡しするという流れ(=院内処方)が主流でしたが、現在病院では患者さんに処方箋をお渡しし、院外の薬局に処方箋をご持参いただくことにより調剤をうけていただく(=院外処方)ことが多くなっております。
院外処方は院内処方と比べ、患者さんに処方箋を院外の薬局にご持参いただく負担がありますが、複数の医療機関を受診されている方にとっては薬局が各医療機関で処方されている薬剤を一元的に管理できるなど、メリットもあります。しかし、院外の薬局では患者さんの疾患や病院で受けられている治療内容、臨床検査値等を把握することができず、患者さんの薬剤を調剤することはできても、十分なご説明や副作用発現時の対策・対応に関する指導などを行うことが極めて難しい状況がありました。
このような状況から薬薬連携の重要性が広く認識されるようになり、当院でも薬剤師が患者さんの状態や治療内容を薬局薬剤師に連絡する取り組みを開始しました。また看護師が患者さんの抗がん剤治療の内容を印刷したラベルをお渡ししますので、お薬手帳に貼っていただきますよう、ご協力お願い致します。薬薬連携に関する詳細は当院薬剤師ホームページ上にも掲載しております。
また令和元年11月の薬機法改正に伴い、令和3年8月から機能別薬局の認定制度がスタートし、がん領域におきましては“専門医療機関連携薬局”という施設に認定された薬局が、より高度な薬学的管理や地域の薬局に対する医薬品の提供、専門的な情報の発信、研修などの役割を担うこととなり、ますます病院と薬局との連携が注目されております。