読みもの

患者さんのための機関誌「きよかぜ」

産婦人科科長 立岡和弘

 がんの治療方法には、手術、化学療法(抗がん剤)、放射線治療などがあり、がんの進行状態や種類、年齢や合併症など、患者さんの全身の条件を考慮して治療方針が決められますが、病院や医師によって、その治療方針には差があることがあります。

 その差が些細なもので、患者さんも納得できるものであれば、問題にならないと思いますが、子宮を摘出するか、温存するか、手術にするか、放射線治療にするかといった大きな差の場合、治療方針に関する何らかの基準がある方が望ましいでしょう。

 こうした状況を背景に、婦人科を代表する3つのがん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの治療ガイドラインが刊行されています。わが国や外国で行われた臨床試験、臨床研究で得られた科学的根拠に基づき、各作成委員会で検討し作成されています。このガイドラインは3年毎に改訂されることになっています。現時点では、大方の同意が得られ、適正と考えられる標準的な治療法が示されています。
 治療の内容は、AからDまでの4段階の推奨レベルが付記されていて、Aは一定したエビデンス(科学的証拠)があり、もっとも推奨レベルが高いという評価で、Dはエビデンスが全くない低い評価です。

 ガイドラインを日常の診療に用いることによって、治療レベルの格差をなくし、治療の安全性や成績の向上を図ることができるものと期待されています。

 「治療方針の決定は、お医者さんの仕事」と思っている患者さんが大部分だと思います。
 確かに、最終的な治療方針は医師が決定するもので、患者さんの希望のみで決定するわけにはいきません。しかし、ガイドラインという「道しるべ」があることによって、医療者と患者さんの相互理解が進むことが望ましいと思います。
 その意味では、今後、患者さん向けの平易な言葉で書かれたガイドラインが作成されることが待たれます。

 

☆子宮頸がんワクチン(接種は予約制:火曜・木曜の午前)のお問い合わせは
 054-336-1111 産婦人科(内線2161)まで

 

・参考
 子宮頸癌治療ガイドライン 2011年版(日本婦人科腫瘍学会/編)
 子宮体がん治療ガイドライン 2009年版(日本婦人科腫瘍学会/編)
 卵巣がん治療ガイドライン 2010年版(日本婦人科腫瘍学会/編)

このほかに日本で発行されている主な「がん治療ガイドライン」
 頭頸部がん・食道がん・胃がん・大腸がん・肝がん・膵がん・肺がん・甲状腺がん
 乳がん・前立腺がん・腎がん・口腔がん・皮膚悪性腫瘍
※当院では、これらのガイドラインに準拠した標準的ながん治療をおこなっています。

 

・当院は「日本がん治療認定医機構認定研修施設」です。
 産婦人科医 立岡医師を含め6名(外科・消化器外科4名、乳腺外科1名、血液内科1名)の「がん治療認定」が勤務しています。

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