読みもの

患者さんのための機関誌「きよかぜ」

2024.04.01

整形外科 医長 武谷博明

■どんな病気?
指を曲げるための筋肉から伸びている腱(屈筋腱)によって指を曲げることができます。この腱の通り道として腱鞘というものがあります。この腱鞘という通り道や腱自体に炎症が起こり、狭くなると指を動かした際にパチパチと引っかかり(ばね現象)を感じるようになります。

■どんな症状?
① 指の付け根の痛みや腫れ
② 指を動かした際のひっかかり(ばね現象)で動かしにくい
③ 指が動かない
指の付け根の腱鞘で炎症が起こりやすいために指の付け根に痛みや腫れが起こりやすいです。炎症が起こった部分で腱と腱鞘の滑りが悪くなると動きがスムーズではなくなります。これが進行していくと、腱鞘が厚くなったり、腱自体が太くなったりするので腱鞘の中で腱が引っかかり、指を曲げた状態から指を伸ばす際にひっかかりを感じるようになります。腱鞘の中で腱がひっかかったまま動かなくなってしまうと指が動かなくなります。

■どうして起こる?
更年期以降の女性に多く、その他にも手をよく使う人や糖尿病、関節リウマチ、透析などの患者にも起こりやすいです。 動かすたびに摩擦によって炎症が進んでいき、腱鞘が厚くなったり腱が太くなったりしていき症状が悪化していきます。

■どうやって診断するの?
典型的な例では、指を曲げた状態から伸ばしていくときにひっかかり(ばね現象)を認め、診断が簡単です。また、指の付け根の部分に膨らみを触れ、その部位に圧痛も認めます。

■どのように治療するの?
① 局所安静(指の固定などを含める)
② 腱鞘内ステロイド注射
③ 手術治療(腱鞘切開術)
腱鞘内ステロイド注射でよくなることが多いです。しかし、再発することもあり、腱鞘内ステロイド注射を何度も繰り返し行うと腱が痛んでしまうため、数回注射して再発するなら狭くなった腱鞘を広げる手術(腱鞘切開術)をお勧めします。すべての腱鞘を切開するわけではなく、厚くなっている一部の腱鞘を切開するために小さな傷で手術を行うことが可能です。