読みもの

患者さんのための機関誌「きよかぜ」

整形外科 佐藤雅洋

■どんなケガ?
 槌指は指先をぶつけたり挟まれて指の第1関節(DIP関節)を強い力で曲げられたり反らされることで生じます。 
 主に腫れや痛み、内出血斑といった症状を生じます。ケガの直後は腫れのため目立ちませんが、時間が経って腫れが引いたときに初めて指先が伸びないことに気づいて整形外科を受診されることもあります。 

ケガの仕方は以下の2つのタイプがあります。

■診断は? 
 エコーやCT画像などを用いて腱の断裂具合を確認したりレントゲンを撮影して骨折の有無を確認することで診断をつけます。 

■治療は? 
 原則的には保存療法(手術しない方法)ですが、骨折の程度や脱臼の有無で手術が必要になります。 

①保存加療 
 転位が小さければシーネあるいは固定器具を用いて約6週間固定します。その後固定を外して指を動かすリハビリをしていきます。

②手術加療 
 骨片が大きい、関節が亜脱臼している等があれば手術をお勧めします。 

経皮的鋼線刺入固定術

指の先端や側面から金属ピンを刺すことで骨折部の整復、固定を行います。 

 ケガをしてから長期間経過している症例ではピン刺入のみでは治療困難な場合があります。その際はプレートやスクリュー固定を追加で行って治療します。

指先は日常で一番よく使う部位であり、よくケガの発生する箇所でもあります。
もし、指先をケガした際は軽傷だと思って放置しないでまずは一度ご相談ください。