読みもの

病気のお話し

 身体の中に生じた病的な袋状のものを嚢胞(のうほう)といいます。日々の診療で多く見られる嚢胞に歯根嚢胞というものがあります。これは、嚢胞全体の50%以上を占めるといわれています。

 むし歯が進行し、歯の神経に感染が起こり、歯根の尖端へ波及し、それが慢性化すると歯根嚢胞ができます。

 症状を認めないこともありますが、歯茎の腫れや痛みを生じたり、歯茎から膿が出てくることもあります。症状は無くても、レントゲンで見つかることもあります。

 治療は根管治療(歯根の中の腐敗物や汚れた象牙質を除去して薬を入れる)をしっかり行うことで治癒へ向かいます。しかし根管が閉鎖していたり、曲がっているなど様々な理由で予後が不良な場合があります。

 そのような場合は歯根端切除術(嚢胞をとり根管を封鎖する手術)で抜歯せずに治療が出来る事があります。

 歯根嚢胞は放置すると大きくなり、隣の歯に及ぶこともありますので、以前指摘された事があったり、上記のような症状がある方はお近くの歯科医院や当院へご相談ください。

口腔外科 臼田 聡