読みもの

病気のお話し

 夜、寝ている間の排尿が1回以上あることを夜間頻尿といいます。睡眠が妨げられることで日常生活に支障がでてしまう、また特に高齢者においてはトイレ移動中の転倒危険度について問題視されるようになりました。

 原因は前立腺や膀胱などの泌尿器科疾患以外に、’夜間多尿’といって睡眠中の尿量が増え、必然的に排尿回数も増えてしまっている場合も少なくありません。

 夜間多尿は診療や検査では判断できません。自分でつける’排尿記録’が重要な役割を果たします。

 排尿した時間と1回の排尿量、さらに飲水の時間と量を記録するものです。面倒ではありますが、重要なデータとなります。

 原因はいろいろありますが、日中に足に溜まった水分(夕方に見られる足のむくみ)が身体を横にすることで血液中にもどり、それが余分な水分となり、寝ている間に尿が多く作られてしまう、という仕組みがよく言われています。

 そのため夕方の適度な運動(足の筋肉を動かす)、また夕方から寝る前までの飲水量が多くならないように注意することが大切です。

泌尿器科 医師 髙橋 薫平