2024.05.25
「ほくろ」の正式名称は「色素性母斑」であり、未分化なメラノサイト系細胞である母斑細胞の増殖からなるものを指します。「ほくろ」は生まれつき存在する先天性の発症も含めて、幼少期から高齢者まで、あらゆる年齢層に生じると言われています。その多くは10~20歳代ころまでに徐々に目立ってくることが多いです。
「ほくろ」の見た目は多彩であり、褐色から黒色の大小の色素斑で隆起するもの、平坦なものまで様々です。人間が加齢、歳をとっていくのと同時に、私たちの「ほくろ」も歳をとっていきます。特に顔にできるタイプの「ほくろ」では、少しずつ膨らんだり、色素がなくなったりすることが多いのです。
また、「ほくろ」と思っているものの中には、「脂漏性角化症」と呼ばれる、老化により生じる「イボ」や、俗に言う「シミ」など、厳密に言うと「ほくろ」には含まれない色素斑や、悪性黒色腫や基底細胞癌などの皮膚癌の場合もありますので、「昔からあるほくろが大きくなってきた」「膨らんできた」など心配な場合には、皮膚科の受診が望ましいでしょう。
皮膚科 医長 八代 聖