読みもの

病気のお話し

 糖尿病は、インスリンというホルモンの不足や作用低下が原因で高血糖が慢性的に続く病気です。

 世界の糖尿病人口は5億3700万人(2021年)、2045年には約7億8300万人に達する勢いで増加すると予測されています。日本においては、未治療者(治療中断を含む)が4人に1人、40代の男性は約半数という報告(*)もあります。自覚症状がなく治療を先送りにするケースもあり、早期発見、早期治療が大切です。
(*)平成28年「国民健康・栄養調査」

 そして、もう一つの課題は、今なお続く糖尿病に対する誤解や偏見(スティグマ)です。食べすぎの人がなる病気、怠慢といった負のイメージにより、糖尿病であることを周囲に話せず孤独を抱えている人もいます。誤解や偏見が、治療を継続するにあたり大きな壁となっています。

 11月14日は世界糖尿病デー。インスリンを発見したバンティング博士の誕生日にあたるこの日に全国各地の建造物がブルーライトアップされます。糖尿病への正しい知識や理解が深まることを願い、これからも糖尿病と共に歩む人の思いに耳を傾けエールを送ります。

糖尿病療養指導士(管理栄養士) 大石祐子