読みもの

病気のお話し

 補助歩行具としての「杖」は、身体の支えや体重の負荷を軽くする、バランス補助、歩行のスピードや持久性の向上などを目的に用いられます。

 「利き手はこちらですが…」「今までこちらに持っていて慣れているのですが…」という声を杖歩行練習の指導の時にしばしば耳にします。

 今回は、片側の下肢(足)に痛みが出たり、力が弱くなるなどして杖を使う場合の基本的な考え方を紹介します。

 杖は悪い足の反対側の手に持ってつきます。反対側に杖を突くことで悪い足にかかる負担を軽くすることができます。同じ側では下肢(足)にかかる負担を軽くする効果が弱くなってしまいます。持ちやすい、扱いやすい手ではなく、どちらの足の負担を軽くしたいのかに注目して使ってください。

 杖を持つ(つく)側だけでなく、長さ(高さ)にも適性があります。また、杖にはいくつかの種類があり、症状に合わせて適切に使うことが望ましいです。

 正しく、安全に、快適に使用するために、購入、使用する際には専門家のアドバイスを受けることをお薦めします。

リハビリテーション技術科 理学療法士 池ヶ谷 昌宏