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患者さんのための機関誌「きよかぜ」

                             循環器内科 医長 増村麻由美

 心房細動は日本で最も多い不整脈の一つであり、重篤な脳梗塞や心不全の原因となるため非常に重要です。しかし、なかなか発見が難しい不整脈でもあります。本日は、心房細動とは何か、そしてご自身でできる予防と早期発見方法をご紹介します。

「不整脈」とは何ですか?
 そもそも、不整脈とは何でしょうか? 不整脈とは、「脈が正常ではない状態」の総称です。
 不整脈という広い枠組みの中に、脈が速くなる、遅くなる、脈が飛ぶなど、色々な種類があり、一つ一つ異なる病名がついています。中でも最も多い不整脈の一つが心房細動であり、日本全体で100万人以上の患者様がいます。

「心房細動」とは何ですか?
 心房細動は不規則に脈打つことが最大の特徴である不整脈で、多くの場合、脈が速くなります。年齢を重ねるにつれて起こりやすくなります。心房細動が起こると、心臓内に血栓(血の塊)ができ、脳梗塞につながる可能性があります。また、心臓の負担が大きくなり、心不全を起こしやすくなります。早めに適切な治療を受けることが必要です。

症状はありますか?
 約60%の患者様に動悸、めまい、胸痛などの症状が出ます。しかし、残りの約40%の方は症状がありません症状がないのは良いように感じますが、脳梗塞や心不全の危険性は変わりません。むしろ、症状が無い方は発見が遅れことが多く、重症化しやすくなってしまいます。脈の乱れはご自身でチェックすることが可能です。ご自宅で1日1回脈をチェックすることで早期発見につながります。不規則かな?と思ったら心電図検査を受けましょう。健診や家庭用の時計型心電計などを活用して定期的に確認することも重要です。

原因は何ですか?
 最も大きな要因は年齢です。加齢とともに心房細動の患者さんは増加します。とりわけ、喫煙、飲酒が多い場合や、ストレス(自律神経の乱れ)、運動不足により危険性が高まります。その他、睡眠時無呼吸症候群や甲状腺機能亢進症という病気で治療中の方、ご家族に心房細動の方がいらっしゃる場合は要注意です。

どのような治療が必要ですか?
①脳梗塞予防
 脳梗塞予防のため、多くの場合、抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)が必要です。

②症状の改善
 動悸、めまい、胸痛など症状を伴う方は心房細動の根本治療となるカテーテルアブレーションという手術や、内服治療を積極的に行います。治療の選択肢は患者様それぞれの状態により決まります。

③生活習慣の改善
 高血圧・糖尿病・脂質異常症などは心房細動を悪化させる原因となります。適切に治療を継続しましょう。また、体重管理、定期的な運動、飲酒・喫煙を控えるなど、生活習慣の工夫も重要です。

 その他、全身の状態により追加治療を要する場合があります。

自宅でできる心房細動予防
 今日からできる心房細動の予防法をご紹介します。まず、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)を起こさないこと、すでにお持ちの方はきちんと治療することです。内服治療や食事、運動など主治医の先生から注意事項がある方はしっかり守りましょう。
 その他、特に有効なのは自律神経のバランスを整えることです。まず、1日数回、意識的に深呼吸をしてみてください。日常生活で無意識に力が入ってしまっていませんか?深呼吸は自律神経のバランスを整えるために効果的です。呼吸法以外にもう少し体を動かしたい方にはヨガやストレッチ、ウォーキングなどがお勧めです。一般的には1日30分、週5回の軽い運動が推奨されます。ただし、適切な運動量は治療中のご病気により異なることがありますので、主治医の先生とご相談ください。

最後に
 無症状でも心房細動が隠れていることがあります。まずはご自身で脈のチェックをしてみましょう。脈が不規則かな?と思ったら、循環器内科にご相談ください。

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