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病気のお話し

 これまでなかった皮膚の乾燥、痒みや顔のシミ、しわにお困りではないでしょうか。皮膚の変化は、加齢により生じる「生理的老化」と紫外線により生じる「光老化」に分けられます。

 生理的老化は、皮膚の細胞の代謝が悪くなり、皮脂や汗の分泌が減ることで起こります。皮膚は薄く、乾燥しやすくなり、痒みや湿疹が生じます。特に冬は空気が乾燥し、室内では暖房の使用により湿度が下がるため、皮膚が乾燥しやすい時期です。加湿器で部屋の湿度を60%前後に保ち、入浴後に保湿剤を塗る習慣をつくりましょう。痒みや湿疹が続く場合には専門的な治療が必要となりますので、一度皮膚科でご相談下さい。

 一方、光老化は長年紫外線を浴びることで起こります。紫外線を浴びると皮膚の色素細胞がメラニンを作り、また、皮膚の張りを保つために重要なコラーゲン線維や弾性線維が壊れます。これがシミ、しわ、たるみの原因となり、さらには皮膚がんを生じることもあります。紫外線は一年中降り注いでいますので、外出時には日焼け止めを塗り、日傘・帽子・衣服で直射日光を避けて下さい。

皮膚科 医師 小林 研太