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病気のお話し

 過活動膀胱は、尿意切迫感と呼ばれる、「急に起こる」「抑えられない」「我慢できない」といった強い尿意があり、さらに尿漏れや頻尿を伴う排尿障害です。命に関わる問題ではありませんが、日常生活に支障を来すことが多く、現在40才以上の8人に1人、約800万人の方がこの症状で困っていると言われています。

 過活動膀胱は質問票(過活動膀胱症状質問票)を用いて診断します。また、排尿障害を起こす他の疾患が隠れていないか尿検査や超音波検査などで確認します。治療は主に行動療法と薬物療法があります。行動療法とは、排尿を少し我慢することでトイレの間隔を伸ばしたり、時間を決めてトイレに行くことで失禁を予防したりと、排尿習慣を正していく方法です。薬物療法は、自分の意思とは別に膀胱が過敏に収縮してしまうのを抑える薬や、膀胱の筋肉を緩め尿が貯まりやすくする薬を用います。男性で前立腺肥大症を合併している方は、その治療薬を併用することもあります。

 検査、治療ともに体に苦痛を伴うものはありません。症状に心当たりがある方は是非泌尿器科にいらして下さい。

泌尿器科 医長 日暮 太朗