読みもの

病気のお話し

 がんは日本人の死亡原因として最も多く、正しい知識をもつ必要があります。2012年政府によって策定されたがん対策推進基本計画では、「子どもに対しては、健康と命の大切さについて学び、自らの健康を適切に管理し、がんに対する正しい知識とがん患者に対する正しい認識をもつよう教育することを目指す」とされています。最新の学習指導要領に「がん教育」は明記され、中学でも高校でも近いうちに授業として実施される見込みです。

 静岡市ではすでに「がん教育推進協議会」が発足しており、市内でも保健体育の授業で「がん教育」を行う中学校が増えてきました。外部講師として医師を迎えて授業を行う場合もあり、先日私も清水区内のある中学校で、「がんについて学ぼう」という話をしてきたばかりです。

 生徒たちはとても熱心に聞いてくれました。授業では「がんとはどんな病気か」から始まり、種類、治療、予防、検診などについて教えます。子どもたちが自分の健康の大切さを考えるだけでなく、がんに罹った人にも優しくなれれば、「がん教育」の価値はより高まると思います。

副病院長・外科 丸尾 啓敏