読みもの

病気のお話し

 「ほくろのがん」などと言われる悪性黒色腫(メラノーマ)は、中年以降の人に起こりやすい悪性度の高いがんです。場所や形によって4つのタイプに分けられます。「悪性黒子型」は顔面に出来やすく、「表在拡大型」は体幹・四肢に生じ、黒い平らなほくろとなりやすく、「結節型」は盛り上がった黒いしこりとなり、「末端黒子型」は手のひらや足の裏等に発症し、日本人に多いと言われています。

 多くは、初めは小さな斑点ですが、徐々に増大し盛り上がってしこりになるという経過を辿ります。そのため、ただの「ほくろ」「しみ」だと思っていたら実はがんで、受診する頃には全身に転移していた、などということが起こりえます。

 そうなる前に、悪性黒色腫を疑うことが重要です。自身のほくろ・しみを見て、以下のチェックリストで5項目のうち3つ以上当てはまったら悪性の可能性があります。①形が左右対称でない、いびつ②周りがギザギザ③色が均一でなく、むらがある④直径6ミリ以上ある⑤隆起している

 少しでも不安に思ったらお近くの皮膚科を受診して下さい。

皮膚科 医師 増田 容子