読みもの

病気のお話し

 世界で一番長生きの国はどこでしょうか?答えは日本です。

 2020年のWHO発表では日本人の平均寿命は84.2才で、スイスを抑えて世界一です。そんな長生きの日本人の死亡原因第一位は悪性新生物、つまり「がん」です。

 がんになったら手術でずっと入院する、大きな傷で手術をされる、後遺症で一生苦しむ、仕事をやめなきゃいけない・・・そんなイメージがありませんか? がんは大まかに、進行したものと早期のものに分けられます。早期がんでは症状が出ることも少なく、発見が難しいのが実情です。しかし、その段階で見つけることができれば、例えば消化管がんならば胃カメラなどでの内視鏡での治療や、腹腔鏡を用いた創の小さな手術、乳がんならば乳房を温存する手術が可能です。抗がん剤も用いなくてよく、その後の生活に大きな影響が出ないことも多いです。

 早期がんを見つけるには、がん検診が不可欠です。早期の段階でがんを発見し、負担の少ない治療を行い、今までと変わらない生活を送る。皆さんもぜひ、がん検診をお受けください。

外科 医師 大林 未来