読みもの

病気のお話し

 従来のおなかを大きく開けて行う手術(開腹手術)に代わって、腹腔鏡というテレビカメラでおなかの中を観察しながら行う手術(腹腔鏡下手術)が広く普及しています。腹腔鏡下手術は、キズが小さい、痛みが軽い、回復が早い、入院期間が短い、といったメリットがあり、開腹手術に比べ、患者さんの負担を大幅に軽減します。

 私たち外科では積極的に腹腔鏡下手術を取り入れています。当院で腹腔鏡下手術件数が多いトップスリーは、胆石、大腸がん、鼠径ヘルニア(脱腸)です。胆石は一番歴史が古く、30年以上も前から行われていました。一方、大腸がんは進行がんにも適応が拡大し、外科医の技術が向上したことで、腹腔鏡下手術の比率が近年飛躍的に伸びています。

 当院では最近5年間の大腸がん手術のうち、90%が腹腔鏡下手術です。これは他施設と比較しても高いレベルだと思います。

 腹腔鏡下手術ができても、合併症が多くては意味がありません。私たちはスタッフ一人ひとりが技術を磨くとともに、チームプレイで患者さんに安全で確実な外科治療を提供したいと考えています。

病院参与兼副病院長・外科 丸尾 啓敏