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病気のお話し

 患者さんへの安全な薬物療法の提供に、「薬薬(やくやく)連携」が必要です。

 現在、当院を含む多くの医療機関において 「院外処方」が主流となっております。院外処方には、患者さんに「かかりつけ薬局」を決めていただくことにより、その薬局が複数の医療機関からの処方薬を一元的に管理できるなどのメリットがあります。しかし、院外薬局においては患者さんの疾患や病院での治療内容、臨床検査値等を把握することができず、臓器機能に応じた薬の用法・用量の確認や、十分な患者さんへの説明などを行い難い状況がありました。

 そこで重要視されるようになったのが、病院薬剤師と薬局薬剤師の連携です(これを「薬薬連携」と呼んでいます)。現在ではこの薬薬連携を充実させるため、処方箋に患者さんの主な臨床検査値を表示したり、入退院時に患者さんの服薬状況やアレルギー等に関する情報を共有したりする取り組みが広がっています。

 更に、抗がん剤治療を受けられる患者さんに対しては、治療内容や副作用の発現状況等に関する情報提供資料をお渡しし、院外薬局へ持参していただく取り組みも増えています。

薬剤部 がん/緩和薬物療法認定薬剤師 杉山 弘樹