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病気のお話し

 がん薬物療法の歴史は、抗がん剤やホルモン療法に分子標的治療薬、さらには自身の免疫力でがん細胞をやっつける免疫チェックポイント阻害薬が登場し、多くの患者様がその効果による恩恵を受けています。また、がん薬物療法は入院治療から外来治療へシフトする傾向があり外来で行う患者様も年々増加の傾向にあります。

 殺細胞性の抗がん剤は、吐き気や脱毛、倦怠感など副作用の面で良いイメージはありません。免疫チェックポイント阻害薬は、抗がん剤特有の副作用は軽いものの、自身の免疫が働きすぎてしまうことによる副作用が出現する可能性があります。(免疫関連有害事象irAE)。

 irAEは、皮膚、消化管、肝臓、肺、甲状腺などに比較的多く現れることが知られています。すぐに出現するのではなく、数ヶ月たってから出現することもありますので、「体にブツブツができてきた」「食欲がない」「だるい」「下痢をしている」「息苦しい」など、体の不調を感じたら、すぐに主治医、薬剤師、看護師へ相談しましょう。

がん化学療法看護認定看護師 岩科 麻見