初期臨床研修医の体験談

臨床研修医1年目を振り返って

2011年4月より、6ヶ月間浜松医科大学で、10月より清水病院で研修を積ませて頂いています。1年目は内科を中心にローテートをしていました。学生から研修医、そして大学病院から市中の基幹病院へと、生活環境の大きな変化が続き、あっという間に1年が過ぎてしまったように感じています。

清水病院の魅力を一言で伝えるとすれば、『教育と実践の一体化』ということになると思います。日中の救急外来で、夜間の当直で、ある時は指導医の先生に手取り足取り教えてもらい、ある時は後ろでしっかり見守られながらも、自分の頭で必要な検査や処置を考え、自分の手で治療方針を決定する。当たり前のことのようですが、研修医と指導医の距離が近く信頼関係を築きやすい中規模病院だからこその、『見るだけ』『習うだけ』にならない濃厚な臨床経験が、研修医仲間の少なさを補って余りある、清水病院最大の魅力であると私は考えています。

指導医の先輩方は、いずれも経験豊富、個性豊かな先生ばかり。担当症例についての質問や、手技のコツ、美味しい居酒屋に至るまで何でも優しく教えてくれます。また、各科の一般的な症例やCV、胸腔穿刺、気管支鏡、胃カメラや胃瘻造設といった手技も数多く経験でき、研修医としてのスキルアップには最適な環境が整っています。

実戦的な知識と、自分の手に残る確かな経験。有意義な臨床研修を希望される学生の方は、是非一度見学にいらして下さい。

2011年3月卒業
1年目臨床研修医
大嶋進史

1年間の研修を終えて

私は静岡市立清水病院で、内科(腎臓・神経・消化器・血液・呼吸器・循環器)を6カ月、外科(消化器・血管・乳腺)を3カ月、麻酔科を2カ月、救急センターを1カ月のローテーションを終えました。初めの数カ月は現場の勝手がわからず苦労しましたが、基本的な手技も次第に出来るようになり、各科の手技も経験することができました。

例えば、外科では80前後の様々な種類の手術に入り、鼠径ヘルニアや虫垂炎の手術を執刀させて頂き、内科では中心静脈カテーテル挿入、挿管、腹腔穿刺、胸腔穿刺・ドレーン挿入、動脈ライン確保などを経験することができました。また、麻酔科では全身麻酔や腰椎麻酔の術前評価から術後評価まで学び、基本的な麻酔であれば指導医の先生のもとでほぼ一人でかけられるようになりました。

また、一般内科でよくみられる老衰、誤嚥性肺炎や尿路感染症も診療しましたが、専門内科の疾患を中心に診ることが出来、勉強になりました。日常業務の雑用に終わる事はまずありません。指導医の先生も質問に応じて下さり、参照すべき書籍を紹介して下さいました。

そして、清水病院は雰囲気が良いと思います。若い先輩の先生方も科長クラスの先生方も優しく教えて下さいます。コメディカルの方々もよく接して下さり、大変働きやすいと思います。

さらに、学会発表も指導して下さいます。内科の東海地方会や専門分野の地方会での症例発表は、珍しい症例があれば発表させてもらえます。基本的な発表のスライド作り、プレゼンテーション、質疑応答について経験することが出来ます。

このような研修に興味のある方は是非一度見学にいらっしゃることをお勧めします。

2011年3月卒業
1年目臨床研修医
大島洋一

1年間を振り返って

4月より浜松医大で6ヶ月研修後、10月より当院で研修をしております。大学でのカンファレンスや回診中心の研修と異なり、治療方針を自分で考え、手も動かすチャンスが増えました。

研修医の数が少ないこともあり、ローテートする科毎の教育的な症例や手技を選んで担当させて頂きました。一般的な症例は、殆ど経験することが出来たと思いますし、気管支鏡や胸腔ドレーン、冠動脈造影、A-lineなどの手技も先生方のサポートを頂きながら、一人でやるチャンスを沢山頂きました。CVもいつの間にか、出来るようになった気がします。指導医の先生方は教育熱心な方が多く、回る科毎にその科の医師の考え方というものをマンツーマンで教えて頂けました。

2年目は外科系を中心に研修になりますが、与えられるチャンスを活かし、積極的に学んでいく姿勢を忘れないようにしたいと思います。

2010年3月卒業
1年目臨床研修医
武内 智康

1年間の研修を終えて

1年前、出身大学のある山梨で清水はどんなところなんだろう…と不安と期待を抱えながら引っ越しの準備をしていたことを思い出すと、妙な気持ちになります。それほど、清水で過ごした初期研修1年目は時間の密度が濃く、かつ流れていくのが早い不思議な1年間でした。

清水病院の良いところはいくつもありますが、1つ挙げるとしたらやはり上級医、指導医の先生方へのコンサルトのし易さだと思います。初期研修医は卵からかえったばかりの雛…というには雛に失礼なほどの状態で、毎日が分からないことだらけです。その日々の中でストレスを感じずアドバイスを受けられるというのは、1年目を過ごすには最適な場所であると感じました。もちろん自分で何も調べない状態で質問ばかりしていると怒られますが。

清水病院は研修医の多い病院ではないので、研修医同士が切磋琢磨して…という環境を切望する方には向いていないかもしれません。しかし人数が少ない分だけ研修医が実践できる手技や症例の数は多く、手を動かすのが好きな方にはとても良い病院だと思います。学生さんはぜひ1度見学にいらしてください。

2010年3月卒業
1年目臨床研修医
望月 優作

静岡市立清水病院での臨床研修を終えて

臨床研修を終えての感想としてはやはり『あっという間だったなぁ』と言うのが一番です。気が付いて振り返ると国試に受かって、ピヨピヨの一年目になってからもうすぐ二年が過ぎ去ろうとしています。あっという間だったのは忙しかったからというのもあるでしょうが、やはり何よりも『楽しかったから』だと思います。

清水病院は研修医がほとんどおらず、医師の数も決して多いとは言えません。大きな病院で行われているようなクルズスの様な事はあまりありません。しかし、その分を補ってあまりあるほどに患者さんと接する機会を与えて貰い、患者さんから学び、そして成長していくことが出来る病院だと思います。

人数が少ない分、上級医の先生とは皆顔なじみになれます。そのため、他科を回っていても気軽に声をかけてくださり、珍しい症例や処置の機会があると呼んでもらえるため処置の技術を磨くにはとても充実した環境でした。二年目の終わりの頃ですが、気管支鏡で魚骨をとったり、胃カメラでクリッピングをしたり、アニサキスの診断を自分でして自分で取った時は感動モノでした。

また、やはり研修医の時にびびってしまう当直です。上級医の先生は始めはとても優しく教えてくれます。その後は後ろで完全に信頼した面持ちで『好きにしていーよ』。やはり信頼されるということは責任感が常に伴ってくるものであり、嬉しい反面怖いと思うこともありましたが、そのおかげで自分で調べ、分からないことは聞いて、上級医は嫌な顔せず様々なことを教えてくれました。救急でもとりあえずは無難にこなせる自信と技術は身についたと思います。

他科との壁が低く、コンサルテーションなどが行いやすい状況、また責任は伴うが様々なことをやらせてくれるというスタンスというのは研修医が縮こまってしまわずに自分で成長していくのに必要な環境であると思いますし、それがある清水病院で研修できて僕は良かったと思います。

いろいろと指導して下さった皆様、本当にありがとうございました。

2009年3月卒業
2年目臨床研修医
小池 弘太

1年間の研修を終えて

1年前の4月、点滴をとることすらできず、指導医の先生方、同僚の腕を借りて練習したことを思い出すと、私も少しは成長できたように思います。

点滴の種類も薬剤の名前もわからず、問診をとることにも戸惑ってばかりでした。看護師の方々をはじめ、コメディカルの方々にも多々ご迷惑をおかけしましたが、やさしく声をかけてくださり、ときに病棟での仕事、患者さんとのかかわり方において、アドバイスをいただき、本当に感謝しております。

この病院では診療科の垣根がなく、研修医の私たちが他科の先生に気軽に相談できるなど、とても恵まれた環境にあり、また研修医が少ないため指導医の先生方がひとりひとりの性格、個性を理解してくださり、それぞれに合った研修ができたように思います。

はじめは先生方の行なっている治療の意味を理解することに必死でしたが、徐々に治療方針を立て、治療に参加できるようになってきました。4月の時点では点滴をとることすら儘ならなかった私ですが、この1年間で様々な手技を身につけ、多くの症例を経験させていただきました。

反省の多い1年ではありましたが、温かい先生方に見守られてとても有意義な研修ができたと思います。                      

2008年3月卒業
1年目臨床研修医
後藤 恵美

初期研修1年目を終えて

昨年4月より当院にて初期研修を開始しました。1年目は内科、麻酔科、救急、外科を研修しました。また、月に内科2回、外科2回の当直もありました。

研修が始まったばかりのころは、採血・ルート確保を朝早く病院に出向いて練習しました。同期の仲間や優しい先輩医師に恵まれ、分からないことなどをよく相談に乗っていただいたものです。

当直ですが、内科は救急における鑑別疾患が難しかったと思います。市中病院の特徴ですが、研修医がファーストタッチをします。しかし内科をラウンドしているときには予習・復習になり、とても勉強になると思います。

将来、外科志望の私にとって特に印象的だったことは、外科での3ヶ月の思い出です。市中病院の特徴でありますが、しっかりと仕事を行い、前に出れば手術の執刀を指導医のもと、させていただけます。先に麻酔科をラウンドしていたので、ルンバールもよくやらせていただけました。厳しくも優しい先生方に指導していただきました(下ネタあり)。見学に来れば、術野に入り何かできるでしょう。ぜひいらしてください。

最後に、街並みですが、天気が良いと富士山がきれいに見えます。また噂どおり、魚も美味しいです。一押しはなんと言ってもきれいな海岸沿いの景色!よくアローンで眺めていました。静岡にいらした際にはぜひ当院を見学してください。

2008年3月卒業
1年目臨床研修医
金元 洋人