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病気のお話し

 脳卒中により身体機能障害が残った際には、患者さんは多かれ少なかれ抑うつ的な気分になります。この状態が遷延して、リハビリテーションや社会復帰に障害を及ぼすようになると重要な問題です。
 脳卒中後のうつ状態の頻度(罹患率)は15~60%と報告によってかなり異なりますが、おおよそ30~40%と考えてよく、非常に多い兆候と言えます。症状は内因性のうつ病よりも軽症であり、自責、罪悪感や自殺念慮、自殺企図は多くありません。不安感、焦燥感も少なく、思考抑制(「考えが浮かばない」「考えが進まない」「判断ができない」といったいわば思考にブレーキがかかった状態)や行動規制(「やらなくてはならないがやる気がわかない」「取り掛かるまで時間がかかる」といったもの)が強いといった特徴があります。
 脳卒中後のうつ状態に対しても抗うつ薬による治療が有効であると考えられています。抗うつ薬による治療は、なるべく早期から開始するほうが有効と言われています。患者さん自身は症状に気が付いていないことが多く、家族や介護者が患者さんの心の状態に注意していくことが大切です。

神経内科医長 淺利博基

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