2013.11.20

冬になると増えてくる皮膚トラブルの代表が乾燥肌です。人間の皮膚は本来、皮脂や天然保湿因子によって水分を保つ働きをもっています。しかし、高齢者やアトピー性皮膚炎の患者さんでは、この働きが弱くなり皮膚が乾燥しやすくなっています。
冬場は空気が乾燥し、室内でも暖房の使用により湿度が下がりやすいため、乾燥肌が悪化します。腕や脚、背中などで症状が強くみられます。乾燥肌がひどくなると痒みを感じやすくなり、湿疹がでることもあります。
乾燥肌を悪化させないためには、普段からのスキンケアが欠かせません。
ワセリン、セラミド、尿素、ヘパリン類似物質等の保湿成分を含む保湿剤を塗ると良いでしょう。肌が乾ききらないお風呂上がり30分以内が特に効果的です。加湿器を使って部屋の湿度を50-60%に保つようにしましょう。
お風呂で体を洗う時にナイロンタオル等でゴシゴシ擦るのは、皮膚の表面を傷つけ、乾燥肌を悪化させるので控えてください。
手のひらで石鹸をよく泡立て、優しく撫でるように洗うのがお勧めです。
熱いお風呂、飲酒、香辛料などは体が火照って痒みが強くなることがあるので控えましょう。
皮膚科医長 横山知明