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病気のお話し

皆さんが手術を受ける時のことを考えて下さい。手や足の手術やお腹の中の手術、さらに心臓や肺の手術でも、安全に行うことができるのは、どうしてでしょう。どうして眠ったままで痛みもなく、手術を受けることができるのでしょうか。出血などの緊急事態に、誰が対応するのでしょうか。これらすべてが麻酔医の役割です。手術前から全身状態と手術自体のリスクを分析し安全な麻酔を計画します。手術中は麻酔薬の投与や機器の調整だけでなく、出血や心臓、呼吸の異常事態に常に備えています。手術後には、回復の評価、痛みのコントロールなどを行います。

日本には麻酔専門の訓練を受けた、麻酔科標榜医、認定医、専門医、指導医がいます。アメリカでは、専門家でない者の麻酔は、専門家に比べてより高い死亡率を示す、と報告されています。また麻酔による死亡事故の最も多い要因は、術前の準備不足とされ、麻酔を専門家が担当するかどうかが、安全な麻酔のための大事な鍵の一つです。麻酔科医の仕事は、救急治療や集中治療、痛みの治療などに広がり、現在は多くの病院で不足しています。皆さんの安全のために、その存在に注目して下さい。

麻酔科診療科長 森脇五六

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