読みもの

病気のお話し

最近ブレイン アタックという言葉が、マスコミでも盛んに取り上げられておりますがご存知でしょうか。この言葉はハート アタック(心臓発作)に対応し1990年代からアメリカで用いられるようになった言葉です。読んで字のごとく脳(ブレイン)の発作(アッタク)です。脳発作とは脳血管疾患の発作、すなわち脳卒中のことを表します。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血が脳血管疾患に含まれます。

高齢者の方々の豊かで実りある生活を最も阻害するのは病気ですが、特に脳の病気は深刻で、脳血管疾患と認知症を合わせると、寝たきりになる原因の38%を占めます。これら脳の病気に対する治療の最終目標は、発作を初めからおこさないようにすること(一次予防)ですが、現状ではこれを実現することはきわめて困難です。従って、今日の脳血管疾患の治療目標は、発作による障害をいかに軽微にくい止めるかにあります。

昨今、脳梗塞に対する積極的な治療法が注目を集めています。その一つが超急性期につまった血栓を溶かして、血流を再開させる「血栓溶解療法」という治療法です。欧米に遅れること約10年、やっと昨年10月にこの治療法が健康保険で認められるようになりました。この治療法は、効果が大変期待できるのですが、いろいろと制約があります。最も重要なことは、発作後できるだけ早い時期に、遅くとも3時間以内に治療を開始しなければならないことです。

ブレイン アタックが起ったら、つまり、突然、手足が動かなかったり、手足がしびれたり、言葉が話しにくくなったりしたら、まず救急車を呼んで専門医療機関を受診してください。たとえそれが脳の疾患でなくても、一向に構いません。手遅れになることが一番残念なことだからです 。

清水病院副病院長 神経内科 畑 隆志

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