2004.08.28
高血圧症は最大の生活習慣病で、有病者数は三千数百万人、脳血管障害(脳出血や脳梗塞)の主な原因疾患です。高血圧症の診断は、病院で測定した上腕血圧で上(収縮期)が140mmHg以上、下(拡張期)が90mmHg以上と定められています。 しかし、皆さんもすでにお気づきの通り、自宅で血圧を測ると、病院で測るよりずいぶん低い数値が出ることがあります。では一体、どちらの血圧が正しいのでしょうか。
血圧は様々な要因で容易に上下するので、どちらの血圧が正しいと言うわけではありません。ただ家庭血圧の基準は病院での血圧の基準より低く、上が135mmHg、下が85mmHg以上は降圧治療を要する高血圧です。 家庭血圧測定の原則は、朝・起床後一時間以内(排尿後)に安静座位で、上腕で測定します。起床時は交感神経系の目覚めとともに血圧も上がり、この時間帯に脳心血管合併症が起きることが多いので、朝の血圧が良好にコントロールされていることが重要だからです。
最近になり、家庭血圧の評価法が定まり、その重要性が確立してきました。高血圧症のよりきめ細かい管理のためには、病院で1ヶ月に1-2度測る血圧だけでなく、家庭血圧を規則的に測定・記録し、主治医にその結果を判断してもらいましょう。
診療部長 江口 豊壽