読みもの

病気のお話し

外科で扱う手術は、ここ数年間で大きな変化を遂げつつあります。100年以上もの間続けられてきた開胸、開腹手術が、ここに来て大きく変わろうとしているのです。数年前まで、外科の手術と言えば、胸やお腹を大きく開き、直視下で肺や胃や大腸を切除するのが当たり前でした。しかし、腹腔鏡や胸腔鏡という、手術用内視鏡の登場が、外科手術に革命をもたらしました。

お腹や胸を約1cmほど切開し、そこから直接内視鏡を挿入することで、お腹や胸の中が目の前のモニター上に映し出され、手に取るようにわかるようになりました。そのモニターを見ながら、特殊なハサミや電気メス、鉗子(かんし)などを用いて手術を行います。つまり、従来のようにお腹や胸を切ることもなく、1cm程の傷数カ所のみで、同じ内容の手術が可能となりました。この手術法には、術後の痛みが少ない、入院期間が短くて済む、傷が小さく美容的に優れているなど、患者さん側にとって多くの利点があります。1989年に胆石症に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術が発表されて以来、現在ではいろいろな外科疾患の手術に応用されてきています。

どんな疾患にでも可能と言うわけではありませんが、当院外科においても、胆石症を始め、大腸癌、胃癌、肺癌、気胸、腸閉塞、小腸腫瘍などの疾患で、適応をよく考え、積極的に取り入れています。

外科診療科長 松田 巌

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