
現在考えられている顎関節症の主な原因は、「強い力」が「長い時間」関節や筋肉にかかること、です。 具体的には、夜中のはぎしりやくいしばり、日中のくいしばりやかみしめ、などのくせが挙げられます。
案外知られていないことですが、ほとんどの人が夜中にくいしばったり歯ぎしりをしたりしています。 しかし、普通は時間が短い(数秒単位)ので、痛みは生じません。 また、歯ぎしりの80%は音がしないので、「歯ぎしりを指摘されたことはない」=「歯ぎしりをしていない」と誤解している人がほとんどです。 睡眠中は脳が眠っているため痛みを感じにくくなっており、起きているときには不可能なほど強力に食いしばることができます。 時には、昼間の6倍の強烈な咬合力(かみしめる力)が出ることもあります。 これは、奥歯でクルミが噛み割れるくらいの力ですから、この力を出すために酷使される関節や筋肉は強いダメージをうけることになります
| 夜中のはぎしりやくいしばりの診断法 | |
| * | 朝起きた時に顎のまわりが疲れている、朝食の時に口が開きづらい・痛みが強いなど、起きたてのときに顎の症状が一番強い場合は、歯ぎしりやくいしばりが疑われます。 人間の関節や筋肉は、睡眠中にリラックスしますから、起床時が一番症状が楽なはずです。 ところが、上記のような方は、夜中に顎に負荷をかけていますから、朝が一番辛く、午後になるに従って、顎の症状がやわらいでくるのです。 明け方、ひどくくいしばったあまりに目が覚めた、という人もいます。 |
| * | 顎関節症専門医は、歯のすり減り方で歯ぎしりの有無をおおむね判断できます。 |
| * | より確実に診断したい場合は、プラスチック性のマウスピース(スプリント)を装着して調べる方法があります。 スプリントについた傷で、歯ぎしりの有無や強さが診断できます。 スプリントは、健康保険でつくることができます。 |
日中のかみしめ癖がある人は非常に多いのですが、これを自覚している人はほとんどいません。 そもそも人間の上下の歯は、いつも2-3mm離れているのが自然な状態です。 ところが、かみしめ癖がある人は、テレビを見ているとき、運転をしているとき、包丁を使っているとき、パソコンのキーボードを叩いているときなどに、いつでも奥歯をくっつけてたりかみしめたりしています。 また、力仕事をしている人は、かみしめずには力が出ませんから、やはり仕事の間中関節や筋肉を酷使することとなります。 日中のかみしめは、力は弱いのですが、持続時間が長いため、やはり顎にかかる負荷は大きくなります。
フランスパンの皮や、スルメなどを噛み千切ろうとした瞬間に「ギクッ」ときて、痛みで口があかなくなった、というケースも少なくありません。 上記のかみしめやくいしばりを慢性的な原因から生じた顎関節症とすると、こちらは急性の顎関節症ということができます。 状態としては「捻挫」と同じですから、安静にしていれば治ります。
