先進医療

■■■ 顎関節症の患者さんへ ■■■

 

顎関節症とは

顎関節症とは、顎の関節や顔のまわりについている噛むための筋肉に、痛みやだるさがでたり、口があきにくい、口を開けるとカクカク音がする、などの症状がでる病気です。一言で言えば「顎の関節や筋肉の炎症」で、運動をした後の関節痛・筋肉痛と同じようなものです。非常に稀なケースを除いて、ほとんど全ての顎関節症は、いつかは自然に治ってしまう良性の病気です。 もちろん命に別状はないし、放っておくとどんどん悪化するなどということはありません。

 

顎関節症の原因

マスコミではかみ合わせが原因と言われることが多いようですが、最近の多くの研究の結果、世界的に、かみ合わせは顎関節症の主な原因ではないという考え方が主流になっています。この考え方は日本の専門医の間でも受け入れられつつあり、顎関節症だから、即、かみ合わせの治療をする(歯を削ってかぶせなおす)という治療法は見直されつつあります。
これは、ちょっと考えてみたらわかると思うのですが、世の中にかみ合わせの悪い方は非常に多くいるにもかかわらず、顎の痛みで苦しんでいる方はごく一部です。 また、過去に顎の痛みやカクカクいう音を感じていたことがあるけれど、「いつの間にか治ってしまった」という経験をお持ちの方は多いと思います。
顎関節症の原因については後で詳しく述べます。

 

症状が顎関節の雑音だけなら治療の必要はない

統計学的には、人口の1/3が、なんらかの顎関節症症状を経験していることがわかっています。 一番多いのは「顎の雑音」で、顎関節にカクン、カクカクあるいはミシミシという音がするというケースです。これは、顎関節内部の構造に変化が生じているためで、高校生ぐらいから始まることもあります。本人にはたいへん気になるものですが、痛みがなければ治療の必要はありません。この場合の痛みというのは、「痛くて物がかめない」ということであり、雑音が出る瞬間の痛みではありません。(指の骨をポキポキならすと、音がするときに小さな痛みが生じますが、これを病気と考えて医者に駆け込む人はいません。これと同じ理屈です。)
症状が雑音だけなら治療の必要はないのです。というのは、雑音は、時間はかかりますが、いずれ自然に消えてしまうことが多いのです。

 

「顎関節内部の構造に変化が生じている」とは?

顎関節の内部には、顎をかみしめたときに関節にかかる力を緩衝するためのクッション(関節円板)が存在します。 この円板は一応固定されているのですが、もともと固定がゆるいために徐々に位置がずれてしまいます。 早い人は前述のように高校生ぐらいからずれ始め、関節が動くときにこすれて音が生じるのです。

 

治療が必要な顎関節症

それでは、治療が必要な顎関節症はどんな症状のものをいうのでしょうか?
関節円板がずれる経過中には、雑音のほかに、以下の1,2ような症状が生じることがあります。 そのほかにも、関節や咀嚼筋(そしゃくきん・咬むための筋肉)の炎症で3、4のような症状が生じる場合があります。いずれも放っておいても数週間から週ヵ月で自然に治ることが多いのですが、顎関節症専門医の治療を受ければ、薬や理学療法を使ってもっと短期間で症状を寛解させることが可能です。

1) 痛み(何もしなくても痛い。痛くて食事ができない。朝起きるとしばらく痛い
2) 口があかない(正常なら、人差し指・中指・薬指の3本をそろえたものが縦に口にはいりますが、「開口障害」の場合は、人差し指・中指の2本が入るか入らないかという状態になります。数字で言えば、正常なら40mm以上開口可能なはずです。)
3) 急にかみ合わせがずれた
4) 顎の痛みが、頭痛や頸の痛み、肩こりと一緒に起こっている




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