診療科・各部門について

呼吸器外科

 

スタッフと専門領域



付記 呼吸器外科専門医合同委員会関連施設
    日本呼吸器外科学会関連施設
    日本胸部外科学会関連施設

 

外来表

 

外来診療日:火、木曜の午前
※初診の方は、呼吸器外科または外科外来まで、電話にてあらかじめご連絡ください。

 

【はじめに】

 

呼吸器外科では、食道や心臓・大血管を除く胸部疾患の診断や外科的治療を中心に担当しています。手術の大半は自然気胸や肺がんなどに対するものですが、そのほかに心臓の周囲に発生する縦隔腫瘍(じゅうかくしゅよう)や胸壁腫瘍などの手術も行います。当科では、「肺癌診療ガイドライン」などに沿い医学的根拠に基づいた治療を心がけていますが、患者さんそれぞれの生活環境やご要望にも配慮して、「安全性」と「確実性」を最優先した医療を提供いたします。また病状や治療方法の説明においては、できる限りわかりやすく詳しく行うことでご理解いただけるように努めています。
平成19年からは常勤医師2名の体制となり、現在は後期研修医1名を加えて3名で診療を行っています。平成18年1月から平成20年3月までの全身麻酔による総手術件数は135件でした。手術件数は徐々に増加傾向にありますが、これまで手術後30日以内の死亡例や在院死亡例はありません。

 

【主な対象疾患】

 

肺がん(肺癌、転移性肺腫瘍)、肺良性腫瘍、自然気胸、気腫性肺嚢胞症、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍、胸膜腫瘍、肺分画症、膿胸、重症筋無力症、胸部外傷など。

 

【特徴・特色】

 

■ 専門医による診療
当院には、肺がん治療に関連する診療科として、呼吸器内科、呼吸器外科、放射線治療科、病理科などがそろっており、いずれも専門医資格を有する常勤医師が担当し、互いに密接に連携をとりながら診療を行っています。とくに肺がんなどの悪性腫瘍に関しては、外科的治療に偏ることなくバランスの取れた考え方に基づいた治療が可能です。

 

■ 胸腔鏡下手術
病気の種類や状態により、胸腔鏡(きょうくうきょう)という内視鏡を利用したキズが小さい手術を積極的に行っています。対象となる疾患は、自然気胸、肺悪性腫瘍の一部、良性肺腫瘍、胸壁・縦隔腫瘍の一部などです。手術は全身麻酔で行い、手術後の入院期間は、若年者の気胸では2~3日間、末梢型の小型肺がんや転移性肺腫瘍などで肺部分切除術を行った方では3~5日間程度です。若干の個人差はありますが、ほとんどの方が早期に社会復帰されています。

 

■ 気胸に対する治療
自然気胸は、肺表面の薄い膜からなる嚢状(ふくろ状)の病変(気腫性肺嚢胞)に穴があいて肺が縮んでしまう病気で、突然の胸痛や呼吸困難を伴って発症します。患者さんは若いやせ型の男性に多い傾向にありますが、喫煙者や高齢者にも見受けられます。症状からは心臓病との鑑別が必要ですが、気胸の場合には胸部レントゲン写真で縮んだ肺を確認することにより容易に診断ができます。
治療は原則的に入院していただく必要があり、ほとんどの場合は局所麻酔をして胸の中にチューブを挿入し漏れた空気を持続的に抜く処置を行います(胸腔ドレナージ術)。当科では、軽症の場合は簡易式の器具を使用することで通院治療を行うこともあります。しかし、自覚症状が強かったり、レントゲンやCT検査で大きな肺嚢胞を認めたり、肺からの空気漏れが続いたり、以前に気胸と診断されたことがある場合はいずれも手術の適応となります。
手術は、ほぼすべての患者さんに対して胸腔鏡下手術を行っています。手術時間はおよそ30分から1時間で、手術後の入院期間は若い方では2~3日間です。早ければ1週間ほどで、事務仕事などの軽作業は可能です。

 

■ 肺がんに対する治療
肺がん(原発性肺癌)に対する手術は、腫瘍の大きさや発生部位、リンパ節転移の有無、浸潤の程度、肺機能、全身状態などにより適応を判断し術式を決定します。通常は臨床病期(Ⅰ~Ⅳ期)のⅠ~Ⅱ期の患者さんが手術の対象となりますが、ⅢA期以上でも病状により治癒が見込まれる場合には手術を考慮します。
当科で手術を受けていただく場合は、検査はできるだけ外来で済ませ、手術の前日に入院していただいています。肺癌の標準的な手術で最も多く行われている、「リンパ節郭清(かくせい)をともなう肺葉切除術」を行った場合には、手術時間は2~3時間、出血量は100ml以内です。不測の事態に備えて輸血用の血液を準備していますが、ほぼ全例が無輸血手術です。手術後の入院期間はおよそ7~10日間となっていますが、無理のない状態で退院していただけるように対応いたします。
手術後の補助療法に関しては、臨床病期ⅠB期以上では、病理組織診断や患者さんの全身状態を十分考慮した上で化学療法(抗がん剤治療)や放射線治療を行う場合があります。化学療法は初回は原則的に入院していただきますが、大きな副作用が出ないことが判明すれば2回目以降は外来通院による治療になります。

 

■ 早期肺癌に対する手術
通常の胸部レントゲン写真ではほとんど所見がなく胸部CT検査で認められるようなスリガラス様陰影を呈する肺癌は、比較的早期の肺癌である場合が多いのですが、手術以外の方法で病理組織診断することが困難なことがしばしばあります。こうした場合は、手術前にCTガイド下にマーキングし(肺表面に目印をつけ)、胸腔鏡下または開胸生検により組織を部分切除することによって診断をつけます。「早期肺癌」の医学的な定義づけはいまだなされていませんが、これまでの医学的な知見から明らかに早期であると判断された場合には、部分切除で手術を終えたり、リンパ節郭清を省略する縮小手術を行います。

 

■ 転移性肺腫瘍の手術
手術の適応に関しては、原発腫瘍(たとえば大腸癌などの元の腫瘍)に対する治療が効果的で、肺以外の病巣の制御ができていること、肺転移の個数が限られていてすべて切除可能であること、縦隔リンパ節転移がないこと、腫瘍の発育がゆっくりしていること、全身状態が良好であること、などがその条件として挙げられます。手術術式は、腫瘍の大きさや部位により、開胸手術または胸腔鏡下手術を選択します。

■ 緩和ケア
がんの進行などによって体調が悪化したり苦痛を感じるようになった場合には、当院の緩和ケアチームと協力のもとで、無理のない範囲で治療させていただきます。がんに伴う「痛み」や「苦しみ」に対しては適切に対処しますので、ご心配なさらずに治療を受けてください。

 

【おもな所属学会】

 

日本外科学会、日本胸部外科学会、日本呼吸器外科学会、
日本肺癌学会、日本癌治療学会、日本呼吸器内視鏡学会、
日本内視鏡外科学会、日本気胸・嚢胞性肺疾患学会、日本緩和医療学会

 

 

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