今年の夏は暑いですね。のどが弱いので、寝る時にはあまりエアコンを使いません。
窓を開けて寝るのですが、朝起きると汗でシャツがぐっしょりです。外に出るとまだ6時前だと言うのに容赦ない日差しが身体に突き刺さります。
夏は暑いほうがメリハリがあって良いですが、こう暑い日が続きますといささかまいってしまいます。秋のやさしい日差しが待ち遠しい毎日です。
さて、新世紀の医療と題して始めたおはなしも今回で5回目を迎えました。この間にゲノムと言う言葉が何度か新聞やテレビに取り上げられ、身近な言葉になりつつあります。
第3回のおはなしでも書きましたが、今までの医療を根本から変えてしまうほどの力を持つ言葉です。ですからまずできる限り理解を深め、先に提示しました問題点を皆さんで話し合い、これからの方向性を自分自身の中ではっきりとしておかなければなりません。
「誰かが考えてくれるから」と言った事はそのまま自分に降りかかってきます。
最近、どんなところにも自己責任と言う言葉が使われていますが、医療の世界でも例外ではありません。日本経済の崩壊に伴う医療保険制度の財源不足、薬害エイズ問題などで起きた、病院や医師に対する不信感による“医師中心の医療”の崩壊。大病院へ行き、たくさんの検査をして、先生の言う事を聞いていれば病気は治るといった時代は、お金の面からも精神的な部分からも変化しようとしています。(詳しくは、過去のおはなしのNo.4~No.6を参照してください)
ですので、このゲノムに関してもぜひ多くの関心を寄せて皆さんで話し合っていけたらと思っています。
前置きが長くなってしまいましたのでそろそろ本題に入りたいと思います。今回はゲノム解析に伴う新しい医療を具体的にお話していきたいと思います。
医療の世界で遺伝子とつく言葉には、大きく分けて二つがあります。1つは遺伝子診断でもう1つは遺伝子治療です。ゲノムが解析される事で飛躍的な進歩が期待されているのはまずは、遺伝子診断の方です。その中でも遺伝性のガンに対する遺伝子診断については研究が進んでいると言われています。
ガンは、ガンに関係する遺伝子の異常が複数積み重なって起きると言われています。
その中で、ある家系に多発する遺伝性のガンの場合は生まれた時にすでに遺伝子の異常が1つ起きているため、ほかの人よりガンになりやすいと考えられています。
こうした遺伝性のガンはガン全体の5~10%を占め、それに関わる遺伝子も20種類ほどわかっているそうです。遺伝性乳がんの場合は「BRCA1」と言う遺伝子が先天的に異常があり、すでにアメリカではこの遺伝子の有無によって乳がんのリスクを調べる遺伝子診断も行われています。しかしこの遺伝子を持っている人でも実際に乳がんになる人は8割程度だと言います。したがってある家系で100%近い確立で乳がんが発症するとすれば、BRCA1の異常に何らかの要素が加わって発症がほぼ100%になっていると考えられますが残念ながら現段階では、このプラスアルファの要因が何なのか判明していません。
もう1つガンについてお話しますと、抗がん剤についての遺伝子診断があります。
抗がん剤は皆さんも知っている通り、ガン治療の柱の一つです。しかし、ある人のガンに抗がん剤が効くかどうかは実際に投与してみなければ分からないのが現状です。
投与して効果が無かった方は、抗がん剤治療によって苦痛だけ与えたり、逆に命を縮める結果に終わる事さえあります。遺伝子診断ではこうした各人のガンの個性、つまり抗がん剤や放射線治療が有効か、副作用はどの程度か、ガンの成長の速さは、転移については、などと言った事を診断する事が重要なテーマとなっています。
DNAチップと言うものを利用し、どの遺伝子異常がガンの個性を決めているのかを見つけている段階です。ここ2~3年の間には第一段階の結果が出てくるそうです。
現在は、ガンであればみな同じ治療を受けていますが、これからはガンの個性に応じて治療を選択できる時代がくると思われます。
以上二つの事を例に挙げてお話しました。次回についてはまだ検討中です。
引き続き新世紀の医療でいくのか新たなテーマでいくのか、次回をお楽しみに。
