第一回、第二回とお話を進めてきましたが、皆さんにわかって頂けているのかとても不安です。
ご意見、ご質問など何でも結構ですので是非メールにてお送り下さい。
インターネットの良いところは、相互通信にあります。皆さんの声をお待ちしています。
さて今回のお話は、検査料についてです。
病院でもらう領収書のなかに、検査料という欄があるのをご存知ですか?言葉の通り、 検査をした時に払う金額ですが、今日はこのことについてお話したいと思います。
若干畑違いのことでもありますので、皆さんに満足していただけるか不安はありますが とにかく読んでみて下さい。反響が大きければ、診察料や投薬料などを含めたお話を
専門のスタッフにして頂きたいと思っています。
その前に、前回のお話をご覧になってない方はメニューの【過去のおはなし】をクリックして みてください。
まず最初に、検査の値段についてお話します。
各検査にはそれぞれに値段が決められていて、それを保険点数と呼んでいます。保険点数の1点が 10円で換算され、値段がつきます。
たとえば尿をとって一般検査(詳しくは、検査について説明しているページを参考にしてください) をした場合、尿一般検査の保険点数は28点ですので280円ということになります。
これだけを見れば簡単なのですが、実際には例外的な項目がいくつも存在しています。
例えば、肝機能検査として良く使われるGOTやGPTなどの生化学検査は、1項目では28点ですが、 5~7項目で155点・8~9項目で175点・10項目以上何項目検査しても185点などと、包括的に
決められています。
その他にも例外はいくつも存在しますが、ここでの説明は控えたいと思います。
次に、この保険点数をどこで決定しているかというと、皆さんのご想像通り厚生省の担当部署です。
検査以外のいろいろな保険点数も全て、ここで決定しています。
そして毎年見直されています。特に近年、医療財政が厳しくなってきている為、保険点数は下がる一方 です。皆さんもご存知の通り医療保険の個人負担率が、1割から2割になりましたよね。
財政が苦しくなって個人負担率を上げるのは理解できますが、保険点数をなぜ下げるのでしょうか。?
これを理解するには、病院はどこからお金をもらっているのかを説明しなければなりません。
検査料だけでなく、病院から請求される金額(医療保険が適用されるもの)のうち、本人ですと2割分を会計窓口で支払います。
その残りの金額は国から支払われるのです。ですから、個人負担率を上げ、保険点数を下げれば 国が支払う医療費は軽減されるというわけです。
皆さんの側に立って考えてみますと、負担率は消費税、保険点数は商品価格ということになりますね。
商品価格が下がることは消費者にとっては良いことですが、経営側にとっては厳しい状態です。
一般企業のように広告を出すことも出来ないですし(法律でも禁じられています)特売セールなんてこと もできません。ですので、ここ数年中規模病院や中規模医院の閉鎖が相次いでいます。
それともう一点、一般業界と違う点は販売した商品(行った医療行為)全てに対して売上 (国からの支払い)があるのではない点です。
病院が国に皆さんの支払った金額の残り(2割負担の場合でしたら残りの8割)を請求する場合、診療 報酬明細書(レセプト)を発行します。これを審査支払機関に提出し認められれば支払を受けることが
できますが、認められなければ支払はありません。
俗に言う検査漬け、薬漬けを防ぐための処置ですが、近年この基準も厳しくなってきています。
例えば初診で来院された場合、患者さんとしてはいろいろ検査をして早く悪いところを見つけて欲しい と思うのですが、それをしてしまうと審査の段階で認められない検査が出てくる可能性があります。
また、診断が付き治療中の経過を見るための検査も回数が決められています。
したがって医師は限られた検査結果の中で病名を判断し治療しなければなりません。
しかし現実は審査で認められない検査をしながら診療を進める場合が多々あります。これは、 患者さんにとっては良いことかもしれませんが(早く正確な診断)病院にとっては厳しい問題です。
ある病院では審査で認められない検査を出した場合、医師の給与から差し引くといった措置を 取っている施設もあるくらいです。
医療について、経済効率だけを考えて今後進んで行って良いのでしょうか。? もちろん無駄は極力 なくす努力はしなければいけません、しかし経済効率を意識したあまりの粗診粗療なんて
決してあってはいけません。
今日本の保険医療情勢は転換期にあると思います。新たな制度としてDRG/PPS (診断郡別包括支払方式)というものも試行されています。
患者主導の医療が叫ばれているなかで保健医療に関しても、もっと市民レベルでの活発な論議が 必要なのではないでしょうか。
検査料の話から、最後はちょっと重い話になってしまいましたね。これで今月のお話は終わりです。
皆さんのご意見をお待ちしております。
