口腔外科ではう蝕歯の治療や歯周病の管理、義歯の作製などのいわゆる歯科治療は原則的に行っておりませんのでご了解のうえ受診をお願いいたします。
口腔外科は歯科の一分野ですが、欧米では口腔顎顔面外科とよばれているように、口のなかだけでなく、顎(あご)の骨や顔の一部を担当します。具体的には口腔腫瘍(口の中や舌になにかできた)、顎顔面外傷(顎や顔の骨を骨折した)、顎口腔の炎症(顔がはれた)、顎変形症(受け口など)、口腔粘膜疾患(口内炎、ヘルペス、口腔乾燥)、口腔顔面痛(三叉神経痛など)、インプラント、顎関節症(口をあけるとあごが痛い)などを主な対象疾患とします。それぞれの疾患に対し当科で行っている治療の特徴は以下のとおりです。
■口腔癌 舌癌を代表とする口腔癌では治療は主として手術によりなされていますが、手術後の機能障害が問題となることが少なからずあります。それでは抗がん剤はどうでしょう。通常は薬は静脈から注入するため全身にまわりますが、この方法ではいまのところ残念ながら期待どおりの治療効果のでる薬はありません。そこで考えられたのが動脈から抗がん剤を注入する方法です。腫瘍に入ってゆく動脈に薬を流す方法を動注といいます。動脈から注入された抗がん剤は腫瘍に高濃度にはいるため効果が高く、全身の副作用は少なくてすむといわれています。抗がん剤を動注しながら放射線治療をする方法を動注化学併用放射線療法といいますが当科では放射線科と協同で全国に先駆け、行っています。すべての癌にたいして有効なわけではありませんが、大きさや場所によっては大変効果があります。当科の成績では手術とほぼ同程度の治癒率が期待できることがわかっています。
■顎変形症 顎変形にはさまざまな種類がありますが日本人には下顎前突(いわゆる受け口)がおおく、十分に噛むことができないだけでなく顔貌にも不満がでるため、性格が内向的になったりもします。当科では歯科矯正医と緊密に連携し、手術前矯正から手術後にいたるまで確立された一連のシステムで治療にあたっています。また、吸収性のプレートを使うことにより、手術回数を減らし患者さんの負担を軽くしています。