■動脈瘤の原因、自然経過について 動脈瘤が発症する原因のほとんどは動脈硬化症です。 (そのほか炎症性、外傷性、感染性動脈瘤等があります。) 動脈瘤は破裂するまではほとんど症状がでません。 破裂した場合、ほとんどの方が助かりません。 (病院にたどり着く前に約半数の方がお亡くなりになり、 病院にたどり着いた方の内、半数以上がお亡くなりになる、と言われています。) 動脈硬化症は全身疾患であり、脳(脳梗塞)、心臓(心筋梗塞)、 腹部〜下肢の動脈(閉塞症)を同時に合併する方が20〜30%いらっしゃいます。 ■動脈瘤の増大するスピードについて 大きさ、個人差等がありますが、一般的に2〜5mm/年程度増大すると言われています。 ■手術適応について 破裂の危険を考えて以下に当てはまるものを手術適応としています。 (1)切迫破裂の症状のあるもの (2)増大するスピードの早いもの (3)最大径が4〜 5cmを越えるもの (4)末梢の動脈閉塞(壁在血栓による塞栓症)をきたすもの ■治療方針について 1. 経過観察(3〜6ヶ月毎のエコー、CT等にて増大傾向を観察する。) 2. 治療(手術) ■治療(手術)方法について ※高血圧の管理以外には、動脈瘤の増大を予防する方法はありません。 1. 大動脈瘤の人工血管置換術。(開腹または、後腹膜経路) 長期の治療成績等も安定した標準的な治療方法です。 2. カテーテルを用いた、人工血管内挿術(ステントグラフト)。 世界で92年から始まった最新の治療です。患者様のストレスが少ない方法ですが、 手術を成功させるために動脈瘤の形態等により適応に制限があります。 (腎動脈と動脈瘤との距離が1.5cm以上あること。動脈の屈曲が少ないこと等。) また、10年以上の長期の成績が確立されていない方法です。 現時点では日本国内では、保険適応も不十分であり、大学病院レベルで 行われている先進的医療になります。