静岡市立清水病院
病院長のメッセージ
基本理念・基本方針
診療案内
外来案内
入院案内
血液浄化センター
健診・ドックのご案内
糖尿病教室
訪問看護
病院内案内図
病院までのアクセス
臨床研修医について
お知らせ
診療科・各部門について
特殊外来
病院の概要
患者の権利
パートナーシップ
学会認定施設
個人情報保護について
病気のお話し
病院ボランティア
トップページ
 
診療科・各部門について

血管外科

 下肢静脈瘤について

1. 静脈瘤とは

   下肢の静脈が拡張、蛇行している状態です。
原因としては静脈に存在している弁が、立ち仕事、妊娠、出産、遺伝的素因等により一方通行性の機能が廃絶する(弁不全)ために起こります。
  別名「すばこ」とも言われ、女性の30〜40人に1人の割合で存在する病気といわれますが、進行も遅く、命にかかわる病気ではないため医療関係者も含めて、関心が薄く、多くの患者さんが無処置のまま放置されているのが現状です。状況により重症例では皮膚潰瘍、色素沈着、湿疹が生じてくることがあります。

2. 下肢の静脈の解剖
  下肢には深部静脈、表在静脈、穿通枝が存在し、表在から深部へと血液は流れます。
また、表在の静脈には足首の内側から膝の内側、そけい部まで流れ、そけい部で深部静脈に合流する大伏在静脈と、ふくらはぎの真後ろを走り、膝の裏側で深部静脈に合流する小伏在静脈の2種類があります。
正常な下肢の血液(静脈)の流れと静脈瘤のある下肢の血液(静脈)の流れの図
■ 正常な下肢の血液(静脈)の流れ

  表在から深部静脈に血液が流れ込みます。

■ 静脈瘤のある下肢の血液(静脈)の流れ


  弁不全(逆流)があるため、表在静脈の血流が本来と反対に流れます。
  この逆流により、下肢静脈還流のうったいが生じ、だるさ、鈍痛、むくみ、熱感、
  こむら返り等の「うっ滞症状」が出現します。

3. 症状について
   表在静脈の血流が逆流すること(静脈還流異常)により下肢に「うっ滞症状」が出現します。典型的なうっ滞症状としては、だるさ、鈍痛、むくみ、熱感、こむら返り等があります。重症例ではさらに皮膚潰瘍、色素沈着、湿疹を併発してきます。
 ただし、静脈瘤患者さんの約半数の方は、静脈瘤の経過が長く、進行が遅いために静脈の拡張、蛇行のみが強度であっても、うっ滞症状が出現しないことがあります。

4. 治療について
   静脈の機能障害(弁不全)が原因となっているため、内服薬では治療することはできません。治療の根本は表在静脈の血液の逆流をなくすことにあります。
 
 治療の基本方針

症状 治療方法
処置を希望されない患者さん 弾性ストッキング
サポーター(圧迫用)等
軽い静脈瘤 硬化療法
伏在静脈に逆流のある静脈瘤
(軽めな方)
局所(結紮)手術+硬化療法
伏在静脈に逆流のある静脈瘤
(中等症以上の方)
ストリッピング手術+静脈瘤切除+硬化療法

1. 弾性ストッキングについて


  治療用の弾性ストッキングは、外からの圧迫により表在の静脈の逆流を減少させ、うっ滞症状を軽減させます。ただし、弾性ストッキングは根本的な治療ではなく、今以上に悪化することを予防することが主体の治療方法となります。
 弾性ストッキングは就寝時以外(立っているとき)に着用することで効果が生じます。また弾性ストッキングを着用して消失するうっ滞症状は、ストリッピング手術、局所手術(結紮手術)、硬化療法等の治療を行えば、弾性ストッキングなしで症状をなくすことができます。
  弾性ストッキングは病院地下の売店、市中の薬局等で取り扱っています。



2. 硬化療法について

  静脈瘤内に薬剤を注射し、人工的に血管内に炎症、血栓化を起こし、その炎症、血栓が自然消退することを利用し、静脈瘤の治療を行います。硬化療法は軽い静脈瘤(拡張した静脈の径が5mm以下)、または、伏在静脈に逆流のないものがよい適応となります。
  硬化療法を施行した後は血管内の血栓を少しでも少なくするために、弾性包帯を2日間巻いておく必要があります。硬化療法は外来で施行可能ですが、状況により数回の施行が必要となります。
 硬化療法は血栓を形成させるため、施行後にしこり、鈍痛、色素沈着を伴うことがあります。通常しこり、鈍痛は1〜6ヶ月程度で消失、軽快します。色素沈着は軽快するまでに6〜12ヶ月程度時間がかかることがあります。



3. 局所(結紮)手術+硬化療法について

  軽い静脈瘤では硬化療法単独で治療が可能ですが、伏在静脈に逆流があるような静脈瘤では、硬化療法単独の治療ではほぼ全症例で再発を認めてしまいます。このような場合にはそけい部、または膝裏の伏在静脈の付け根、または膝上(下)の伏在静脈の本幹を局所麻酔で結紮手術を併用することにより、良好な結果を得ることができます。
 局所手術は外来で施行することが可能です。ほとんど生活制限はなく、歩いて帰宅することが可能です。(弾性包帯を2日間まきますので、2日間は入浴できません)
 中等症以上の方は、局所(結紮)手術+硬化療法を行った場合、硬化療法による血栓形成の程度が強く下記のストリッピング手術+硬化療法をお勧めします。



4. ストリッピング手術+静脈瘤切除+硬化療法

  中等度以上の伏在静脈に逆流があるような静脈瘤の方にお勧めする治療方法です。
ストリッピング手術とは通常2cm程度の傷を伏在静脈の上下にあけ、中にワイヤーを通して機能の壊れた伏在静脈を切除する方法です。原因となる伏在静脈の処理が確実に行わうことができるため、以前から行われている手術方法です。以前は伏在静脈の全長を切除していましたが、膝下の中央より下では伏在静脈と知覚神経が併走しており、術後の知覚障害が生じることがあったため、現在では大伏在静脈の切除は膝下までにとどめる選択的ストリッピング手術が主流となっています。ストリッピング手術と同時に下腿の大きな静脈瘤は2cm程度の傷から直接切除を行い、細い静脈瘤に対しては硬化療法で対処します。
 手術は腰椎麻酔が必要になるため、3泊4日の入院で行っていますが、静脈瘤の確実な処理を行うことができるため、中等症以上の方には最もお勧めする方法です。
 
 よくある質問
Q静脈瘤をとった後はどうするのですか。
A 静脈瘤の部分は弁不全があるため、血液が本来とは逆に流れており、静脈としての機能を果たしていません。下肢の静脈の流れは深部静脈の機能が保たれ、同静脈が開存して血液が流していますので、切除した静脈瘤をつなぎなおしたりする必要はなく、静脈瘤はとりっぱなしとなります。

Q手術後の合併症を教えてください。

A よく起こるものとしては、大腿部部分の内出血、むくみ、硬化療法後のしこり、鈍痛があります。またまれに起こるものとして腰椎麻酔による術後頭痛、下腿の知覚障害等があります。
 内出血は細い血管がストリッピング手術を行う時に切れるために生じますが2〜3週間で完全に消失します。手術によるむくみは2〜3週間程度で消失します。むくみの消失を早めるために術後1ヶ月程度は弾性ストッキングを就寝時以外は着用していただきます。術後1ヶ月以降は必ずしもストッキングを着用する必要はありませんが、下肢のためには弾性ストッキングの着用をお勧めします。(圧迫圧の軽いものでもかまいません)
 硬化療法後のしこり、鈍痛は1〜3ヶ月程度で消失します。術後1ヶ月程度は熱を持ちやすい状態ですので、長い時間の入浴は避けていただきます。
 腰椎麻酔による術後の頭痛は約10から20人に1人ぐらいの割合で出現します。通常は術後2、3日程度たってから立ち上がった時に後頭部を中心に痛みが発生します。水分を多く取っていただければ2、3日程度で消失します。
 知覚異常は膝下から足首までの伏在静脈と知覚神経が伴奏しているために、手術により知覚神経の細い枝が損傷され生じることがあります。現在は膝下までの選択的ストリッピングをおこない、発症の予防に努めていますが20人に1人程度の割合で軽い知覚障害が発症することがあります。症状は「触った時に少し鈍い感じがする」、「少しぴりぴりした感じがある」等が主体となります。日常生活には支障はなく、通常3〜6ヶ月程度で消失します。運動神経とは無関係ですので、足が動かしづらくなるようなことはありません。


Q手術時間、麻酔方法、術後の安静度、仕事への復帰時期を教えてください。

A 手術は通常片足1、5時間程度(両足ならば3時間程度、当然静脈瘤の程度で時間は前後します)で行います。麻酔は腰椎麻酔で行います。全身麻酔で行うことも可能ですので、全身麻酔をご希望される方はお申し出ください。
 手術後の安静度は、麻酔が切れれば歩くことも可能です。食事も午前中の手術であれば夕方から可能となります(午後の手術では翌朝から)。点滴は手術当日のみ行わせていただきます。術後の軽度の鈍痛があるため、通常4日程度鎮痛剤を内服していただきます。
 入院期間は通常3泊4日をお勧めしていますが、入院期間の短縮を希望される方は2泊3日でも治療は可能です。もちろんご希望により1週間程度の入院も可能です。
 退院後には安静にしている必要はありませんが、手術をしたところを中心に鈍痛があります。デスクワークであればすぐにでも復帰は可能です。通常の仕事であれば1週間程度は休んでもらうようにしています。日常生活の制限はありませんが、激しい運動は2週間程度できません。


Q外来への通院はどれくらい必要でしょうか。
A 手術から1週間から10日前後で一度外来に来ていただき、その後は1ヶ月後、問題がなければ3ヶ月ごとに半年から1年程度経過を見させていただきます。経過観察中に状況により追加の硬化療法を外来で施行します。

Q抜糸や、入浴について教えてください。
A 皮膚の下を透明な細いナイロン糸で縫合しますので抜糸の必要はありません。傷に2cm程度のテープを張りますが、術後1週間程度でご自分ではがしてください。テープがなくても縫合してありますので、傷が開くことはありません。
 手術後4日目からシャワーを浴びていただいてかまいません。テープの上からお湯をかけてかまいません。消毒は不要ですので、ぬれた水をタオルで拭いてください。シャワーで問題なければ、手術後一週間で入浴していただいてかまいません。ただし、術後1ヶ月程度は熱を持ちやすい状況ですので、長時間の入浴は避けてください。もし熱を持った場合には冷やしていただくことが有用です。

Q費用について

A 入院、腰椎麻酔(3泊4日)ストリッピング手術+静脈瘤切除+硬化療法の場合、入院費用は両足で、10万円前後。片足で7万円前後です。いづれも自己負担3割としての費用です。全身麻酔のときは上記より若干高くなります。一般の民間医療保険では手術は給付の対象となります。また、医療保険では5日間以上の場合のみ入院給付が出るものが多いので御確認ください。(ご希望であれば入院期間を5日間とすることも可能です。)

   
 

 

戻る

 


このWEBサイトに関するすべての著作権は、静岡市立清水病院に帰属します
静岡市立清水病院 静岡県静岡市清水区宮加三1231
TEL 054-336-1111 FAX 054-334-1173